研究課題/領域番号 |
20H00017
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
関野 樹 国際日本文化研究センター, 総合情報発信室, 教授 (70353448)
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研究分担者 |
原 正一郎 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 名誉教授 (50218616)
山田 太造 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70413937)
森 信介 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (90456773)
後藤 真 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90507138)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 時間情報 / GIS / Digital Humanities / Linked Open Data / 歴史資料 |
研究実績の概要 |
・研究成果を国際的に活用するため、前年度に立ち上がった歴史時間のデータ化に関する国際的な研究グループとの連携を進めた。この中で、本研究が時間情報の記述に用いるHuTimeオントロジーとPeriodOなどの海外のプロジェクトで時間範囲名の記述に用いられているデータスキーマとの比較検討を行い、相互に互換可能であることを確認した。 ・自然言語処理技術を用いて時間に関する情報を抽出する作業を、Wikipediaの和文・英文の記事を対象に進め、約4,300件の事例を収集した。さらに、この結果を用いて情報同士の時間的な関係を取得する方法や、同じ手法を他の資料へ応用する可能性について検討した。 ・本研究で構築されたあいまいな時間情報のための論理をさらに拡張し、Allenの区間代数で記述された期間同士の相対関係に基づいて、それぞれの期間の時間軸上の位置を推定する手法の理論構築を行い、論文として公表した。これにより、本研究が目指す日付に拠らない時間記述という点で、より複雑な期間同士の関係(前後関係や包含関係など)に基づいた記述を扱うことが可能となる。 ・昨年度まで進めてきた中国暦を扱うための機能や日付表現の収集結果をとりまとめ、本研究で既に公開している暦に関するLinked Open Dataやツール群に組み込む形で公開した。 ・方位に関するあいまいな記述に対応するため、本研究で構築されたあいまいな時間情報の論理を方位に適用できるかどうかを検討した。直線上で表される時間に関する考え方を円周上に置き換えることにより、同様の考え方が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に歴史時間のデータ化に関する国際的な研究グループが新たに立ち上がったため、その動向を本研究のデータスキーマの設計やデータの蓄積に反映させることとした。この確認ために、作業を一時的に中断したことによる影響があった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究が目指す日付に拠らない時間記述を実現するため、今年度構築されたデータなどを活用し、期間に関する情報から日付等の時間軸上の位置を導き出す仕組みを構築する。特に、Linked Open Dataを活用することで、複数のサイトにまたがってデータを活用できる仕組みを構築することを目指す。また、Web APIなど、これらの技術やデータを一般に利用できる仕組みを構築する。
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