研究課題
基盤研究(A)
土器付着炭化物の同位体分析や土器胎土の脂質分析、残存デンプン粒分析を用いて、縄文時代草創期と早期の土器資料から更新世・完新世移行期の食生活と土器使用法の変遷を実証的に復元する。とくに「植物検出力」を検証して土器が調理具であることを検証し、さらに古人骨の同位体比を測定して土器の分析データと食生活の関係を検証する。近年縄文土器の出現が更新世最寒冷期に遡るとされ、土器の機能の見直しが求められている。さらに縄文時代草創期の土器が水産物に特化した儀礼具であるという仮説が海外の脂質分析専門家から提示されており、更新世・完新世移行期の環境変動や文化変容について、同位体分析などの分析法と考古学の総合的な研究を行うことには意義がある。