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2020 年度 実績報告書

南信濃山里社会の文化的景観とその歴史的形成過程に関する基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H00025
研究機関東京外国語大学

研究代表者

吉田 ゆり子  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50196888)

研究分担者 多和田 雅保  横浜国立大学, 教育学部, 教授 (10528392)
伊藤 毅  青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (20168355)
吉田 伸之  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (40092374)
羽田 真也  飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (40757837)
福村 任生  飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (40833918)
後藤 雅知  立教大学, 文学部, 教授 (50302518)
太田 仙一  飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (60826147)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード山里 / 文化的景観 / 歴史 / 南信濃 / 社会構造 / 王子製紙 / 森林資源 / 榑木
研究実績の概要

本研究では、「伊奈山」の資源を求めて16世紀末から信州伊那地域に入り込む幕府や商人、また明治期の王子製紙等の企業資本の動向に留意し、伊那の里方・山方の村や町が、伊奈山をめぐる有機的な関係の中で地域社会を形成し、江戸・東京をはじめとする都市や河川交通の要衝となる湊や町場と深く結びついて固有の社会構造を形成してきたことを、研究課題A「山里社会の個性の歴史的形成過程」、研究課題B「山里社会相互の関係構造」、研究課題C4文化的景観の歴史被拘束性」を柱に、多面的かつ段階的に解明し、併せて、歴史資料の発掘・保存と文化的景観の継承が地域市民にとってかけがえのない価値であることを提示するために、2020年度は主題を「「伊奈山」と政治権力」として研究を遂行した。[1]基盤となる史料調査と収集:幕府代官千村平右衛門家文書(下伊那教育会所蔵大久保文書)の業者委託による撮影・収集を開始した。[ア遠山地域]下栗共有林関係文書、[エ阿智阿南地域]下清内路榑木関係文書等のデジタル撮影(業者委託)、[景観研究チーム]現地で建物調査を実施した。村絵図・明治20年代の地籍図を各地域の区有文書等から収集を開始し、歴史 GIS 作業:明治 24 年調製地図(旧地籍図、下区区有)のデジタルデータ化を開始した。データ共有のための NAS 容量 4TB の導入(GIS データと撮影史料の共有用)した。[2]研究会を、年度内4回オンラインで開催した。[3]飯田市歴史研究所と共催で9月に「文化的景観の歴史被拘束性」(課題C)を深めるためのワークショップを開催いする予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大により延期となった。[4]成果公開のためのホームページ立上げの準備と制作を開始した。市民への成果還元のための市民講座等は、新型コロナウィルスのため、出張開催を見合わせざるをえなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、所属機関や自治体で行動制限を設けたことにより、東京チームが飯田・下伊那等、現地に出張し、史料調査を行うことができなかった。また、景観研究チームも、チームとして計画していた景観調査を実施することができなかった。飯田市歴史研究所に拠点を置く伊那チームにより、委託撮影による史資料調査・収集活動が行われ、収集した史料データを共有し、オンラインにより研究会活動を行うに留まった。また、9月に飯田市歴史研究所と共催で実施を予定していたワークショップ(研究集会)が延期されたため、研究計画を見直す必要が生じ、交付金の繰越を申請することになった。

今後の研究の推進方策

2020年度の研究計画を推進するために、新型コロナウィルスの感染拡大状況を考慮しながら、現地での史料調査と景観調査を実施し、史資料の収集につとめ、史資料の分析と研究を進める。
当初2020年9月に予定していた研究集会を、2021年9月に実施する予定で、史資料調査、景観研究調査と研究活動計画を修正する。
オンラインを活用し、研究会や研究集会の実施をするとともに、成果公開のためのホームページを完成し、公開する。

  • 研究成果

    (23件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (10件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 3件) 学会発表 (9件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 危機のなかの領域史-小さなインフラを見直す多段階的アプローチ2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤毅・北河大次郎
    • 雑誌名

      建築雑誌

      巻: 1747 ページ: 13-16

  • [雑誌論文] 中近世移行期研究の論点2020

    • 著者名/発表者名
      吉田ゆり子
    • 雑誌名

      人民の歴史学

      巻: 224 ページ: 13-32

  • [雑誌論文] 近世初期の城郭・城下町建設と遠山の森林資源2020

    • 著者名/発表者名
      吉田ゆり子
    • 雑誌名

      飯田市歴史研究所年報

      巻: 18 ページ: 61-82

    • DOI

      10.57299/iihrab.18.0_61

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 都市史のなかの神社2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤毅
    • 雑誌名

      ランドスケープ研究

      巻: 84-03 ページ: 239-241

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 現代都市論をめぐって2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤毅
    • 雑誌名

      都市史研究

      巻: 6号 ページ: 52-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 林守・名主家の家督相続と分家2020

    • 著者名/発表者名
      後藤雅知
    • 雑誌名

      立教大学日本学研究所年報

      巻: 19 ページ: 3-13

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 近世座光寺村の組と家2020

    • 著者名/発表者名
      羽田真也
    • 雑誌名

      飯田市歴史研究所年報

      巻: 18 ページ: 86-103

    • DOI

      10.57299/iihrab.18.0_86

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 上飯田・飯田町役場文書―「建物原簿」を読む2020

    • 著者名/発表者名
      福村任生
    • 雑誌名

      飯田市歴史研究所年報

      巻: 18 ページ: 104-113

    • DOI

      10.57299/iihrab.18.0_104

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 川路地区の歴史的建造物2020

    • 著者名/発表者名
      福村 任生
    • 雑誌名

      飯田市歴史研究所年報

      巻: 18 ページ: 124~129

    • DOI

      10.57299/iihrab.18.0_124

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 元結=商品をめぐる争論と社会2020

    • 著者名/発表者名
      吉田伸之
    • 雑誌名

      飯田市歴史研究所『調査・研究フォーラム』

      巻: 1 ページ: 2-18

  • [学会発表] 17世紀の伊那郡市田郷における山の用益2021

    • 著者名/発表者名
      羽田真也
    • 学会等名
      第4回山里科研研究会
  • [学会発表] 佐藤光弘家文書から見る王子製紙遠山進出2021

    • 著者名/発表者名
      太田仙一
    • 学会等名
      第4回山里科研研究会
  • [学会発表] 明治期における王子製紙の下伊那への進出2020

    • 著者名/発表者名
      太田仙一
    • 学会等名
      飯田市歴史研究所定例研究会
  • [学会発表] 天竜川をめぐる近世的秩序の確立 ―下川路村・時俣村・今田村を素材に―2020

    • 著者名/発表者名
      羽田真也
    • 学会等名
      飯田市歴史研究所定例研究会
  • [学会発表] 駒場の町場形成と歴史的景観 -2010 年の建築調査を振り返って2020

    • 著者名/発表者名
      福村任生
    • 学会等名
      第1回山里科研研究会
  • [学会発表] 明治期における王子製紙の下伊那への進出―王子製紙「中部工場」の運営 実態の検討を始めとして―2020

    • 著者名/発表者名
      太田仙一
    • 学会等名
      第2回山里科研研究会
  • [学会発表] 遠山の町並みと文化的景観調査2020

    • 著者名/発表者名
      樋口貴彦
    • 学会等名
      第2回山里科研研究会
  • [学会発表] 近代における遠山和田町と飯田町の商家の関係2020

    • 著者名/発表者名
      多和田雅保
    • 学会等名
      第3回山里科研研究会
  • [学会発表] 阿智村駒場・清内路の建築調査―2020 年度調査成果と今後の見通2020

    • 著者名/発表者名
      福村任生
    • 学会等名
      第3回山里科研研究会
  • [図書] 史料で読む 飯田・下伊那の歴史2 川路のあゆみ-近世から近代へ-2021

    • 著者名/発表者名
      飯田市歴史研究所
    • 総ページ数
      83
    • 出版者
      飯田市
    • ISBN
      9784990698829
  • [図書] フリースラント ーオランダ低地地方の建築・都市・領域ー2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤毅
    • 総ページ数
      252
    • 出版者
      中央公論美術出版
    • ISBN
      9784805508527
  • [図書] イタリアの中世都市2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤 毅
    • 総ページ数
      536
    • 出版者
      鹿島出版会
    • ISBN
      9784306073494
  • [図書] 全体史へ-山口啓二の仕事2020

    • 著者名/発表者名
      吉田 伸之、森下 徹
    • 総ページ数
      196
    • 出版者
      山川出版社
    • ISBN
      9784634593046

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公開日: 2023-12-25  

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