研究課題/領域番号 |
20H00040
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中谷 友樹 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20298722)
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研究分担者 |
井上 茂 東京医科大学, 医学部, 教授 (00349466)
松田 亮三 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20260812)
田淵 貴大 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター疫学統計部副部長 (20611809)
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
埴淵 知哉 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40460589)
伊藤 ゆり 大阪医科大学, 研究支援センター, 准教授 (60585305)
磯田 弦 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70368009)
花岡 和聖 立命館大学, 文学部, 准教授 (90454511)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 健康地理学 / 空間疫学 / 公衆衛生学 / 地理情報科学 / 社会疫学 |
研究実績の概要 |
本研究では、個人のライフコースと地域の変化史の観点に着目して、健康の地理的格差が生成されるプロセスの解明を目指している。研究分担者の専門性に基づいて地理情報・社会調査・健康解析・社会比較の4つの班におおよその役割を分け、全体として地域指標群と健康指標との分析と、健康格差の時空間解析を通して相互の連携をはかる。 2020年度において、小地域変化指標については、地理情報班を中心としておおよそ1970年代後半以降の土地利用や各種国勢調査指標の地理情報の整備を進めた。あわせて、これらの指標を処理するプログラム群の整理や近年の国勢調査データによるジオデモグラフィクスや建造環境のタイポロジーを検討し、学会発表を行った。社会調査班では、遡及的社会調査の検討の1つとして直近のライフイベントに影響される身体活動の影響を調べるために携帯電話の健康記録を利用する方法をCOVID-19による最初の緊急事態宣言時に実施し、その有効性を確認した。関連して各種機関によって実施された社会調査・疫学調査資料等を用い、COVID-19を含む災害イベントと居住環境や収入との関連を分析し、その成果を報告した。また、企業規模と老後の健康の関連やウォーカビリティなど、ライフコースと健康、生活環境に関する基礎的な研究の蓄積も進めた。社会比較班では、医療機構におけるレジリエンス概念を検討するとともに、日本のCOVID-19への対応について検討を試みたほか、諸外国の社会経済状況の変化の中での健康政策展開についての情報収集を行い、システム論的な健康政策アプローチを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の流行に対応するため当初の研究実施は遅れ、一部の政府統計のデータ利用申請については次年度に繰越となったが、社会的に影響力の大きいCOVID-19や災害がもたらすライフイベントと健康格差の関連を問い直す機会を得ることとなり、多数の研究成果を得た。当初の予定を若干変更し、データ利用申請などで次年度に持ち越されている事項もあるが、研究の実施状況はおおむね順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19流行に関連して作業の変更が生じた箇所をふまえて、研究を継続して推進する。とくに政府機関統計の利用申請が遅れているが、早い段階でこれを実施する。また、次年度に予定されている本格的な社会調査の実施については、COVID-19の流行調査の状況や影響を考慮して、実施方法・時期について慎重な検討を進めることにしたい。
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