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2022 年度 実績報告書

「学習指導要領体制」の構造的変容に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H00103
研究機関花園大学

研究代表者

植田 健男  花園大学, 社会福祉学部, 教授 (10168627)

研究分担者 山崎 雄介  群馬大学, 大学院教育学研究科, 教授 (00252411)
光本 滋  北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10333585)
石井 英真  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)
中村 清二  大東文化大学, 文学部, 講師 (10733579)
富樫 千紘  和光大学, 現代人間学部, 講師 (10803520)
川地 亜弥子  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20411473)
坂本 將暢  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (20536487)
山口 真希  花園大学, 社会福祉学部, 講師 (20637623)
井上 明美  花園大学, 社会福祉学部, 准教授 (20774186)
濱口 輝士  名古屋文理大学, 情報メディア学部, 助教 (20802531)
サルカルアラニ モハメドレザ  名古屋大学, アジア共創教育研究機構(教育), 教授 (30535696)
中嶋 哲彦  愛知工業大学, 工学部, 教授 (40221444)
中妻 雅彦  花園大学, 社会福祉学部, 教授 (50523370)
日永 龍彦  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60253374)
石井 拓児  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (60345874)
磯田 文雄  花園大学, 文学部, 教授 (60745488)
井上 憲雄  花園大学, 社会福祉学部, 講師 (60833564)
柴田 好章  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (70293272)
長谷 範子  花園大学, 社会福祉学部, 准教授 (70390143)
中 善則  花園大学, 文学部, 教授 (70631232)
小池 由美子  大東文化大学, スポーツ健康科学部, 特任教授 (70868918)
姉崎 洋一  北海道大学, 教育学研究院, 名誉教授 (80128636)
中田 康彦  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (80304195)
松永 康史  桜花学園大学, 保育学部, 准教授 (10803702)
木村 裕  花園大学, 文学部, 教授 (90551375)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード総合科学技術・イノベーション会議(CSTI) / 教育課程 / 国の教育課程基準 / 教育課程の編成主体 / 政策パッケージ
研究実績の概要

2022年度は、教育法・教育政策グループを中軸として研究活動が進められた。本年度の研究を通じて、次の論点が浮き彫りになってた。
1. 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)に設置された教育・人材育成ワーキンググループが取りまとめた「Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」(2022年6月)は、個々の教科の教育内容にとどまらず、学習集団の編成、教科書(またはそれに代わる主たる教材)の提供、教師(またはそれに代わる教育人材)の確保に至るまで、教育課程編成を土台から転換する可能性を内包する。しかも、この政策パッケージは産業経済政策とも連動し、文部科学省における教育課程基準の策定や教科書制度を他律的に方向づける可能性もある。このことは、学校を通じた子ども・若者の学びと成長を枠づけるとともに、学校における教育課程編成や教育実践に対してますます抑制的に作用する可能性がある。
2. 2024年4月1日から施行されたこども基本法第15条には、同法及び子どもの権利条約の趣旨・内容の国民への周知につき国の努力義務を定めており、学校においては子ども自身がそれを学び、権利主体として行動できるよう指導すべく適切な教育課程を編成する必要がある。これについて国の教育課程基準はいかに対応するのか、あるいはすでに対応済みであると考えられているのか。学校教育を超える大きな社会的課題に対して教育課程がいかに対応していくのかはけっして新しい論点ではないが、国として必ずしも積極的に応答しない社会的課題であり法的要請でもある事項について、教育課程編成主体である学校はいかに応答すべきかという論点が浮かび上がった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染症への懸念から、施設訪問やインタビューの実施は依然として困難であるため、当初予定した研究の進め方を部分的に修正し、学校における教育課程編成及び文部科学大臣の教育課程基準策定に影響を及ぼすと考えられる近年の政策及び立法状況に着目して研究を進めた。

今後の研究の推進方策

2023年度においては、2022年度における研究を踏まえて次の論点について考察を進め、オンラインまたは対面での研究会を開催する。また、研究成果は各研究分担者の個人論文などとして、2023年度中または2024年度に公表すべく、グループ内での検討機会を設ける。
1. CSTIの教育・人材育成パッケージが、文部科学省内における教育課程基準の策定にいかなる影響を及ぼすか、そのプロセスとアウトプットについて、中央教育審議会の動向に注目して分析する。
2. 従来、国の教育政策や教育課程基準策定に先行して、地方公共団体またはその教育委員会が国の教育政策を先取りする事例が見られた。地方公共団体間の経済競争が喚起されたことにより、CSTIの政策パッケージを先取り的に実施する地方公共団体が登場する可能性があるため、この点に着目して地方公共団体の動向を観察し、研究期間中に基礎的データが整理できた場合は、地方公共団体に対するアンケート調査(抽出)を実施する。
3. こども基本法及び子どもの権利条約の周知について、学校及び地方公共団体の取り組みを調査する。

  • 研究成果

    (27件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 生きる・働く・学ぶことが実践できる企業に―企業の「育てる力とは」2023

    • 著者名/発表者名
      植田健男
    • 雑誌名

      北海道 同友

      巻: 71 ページ: 62~67

  • [雑誌論文] 政策・経営側から見た高等教育研究と専門家養成2023

    • 著者名/発表者名
      磯田文雄
    • 雑誌名

      高等教育研究

      巻: 26 ページ: 93~111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学校づくりが示す子ども・教育関係者の当事者性ー1950年代の学校づくり実践における子ども理解の位置づけと構造に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      富樫千紘
    • 雑誌名

      教育におけるアドミニストレーション

      巻: 25 ページ: 67~78

  • [雑誌論文] 米国カリフォルニア州ロサンゼルス郡における教育行政スタッフの職能開発―ロサンゼルス郡教育局による研修に焦点を当てて2023

    • 著者名/発表者名
      濱口輝士
    • 雑誌名

      名古屋文理大学紀要

      巻: 23 ページ: 5~12

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 米国におけるスクールソーシャルワーカーの養成・配置システムに関する検討2023

    • 著者名/発表者名
      濱口輝士
    • 雑誌名

      名古屋文理大学紀要

      巻: 23 ページ: 49~56

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「GIGAスクール」構想下の学校と教育課程づくり2022

    • 著者名/発表者名
      植田健男
    • 雑誌名

      ひょうごの子どもと教育

      巻: 8 ページ: 1~7

  • [雑誌論文] 自己教育としての主権者教育の構築2022

    • 著者名/発表者名
      中嶋哲彦
    • 雑誌名

      平和運動

      巻: 610 ページ: 10~17

  • [雑誌論文] デジタル化と、人間と教育の未来人間と教育2022

    • 著者名/発表者名
      中嶋哲彦
    • 雑誌名

      人間と教育

      巻: 113 ページ: 60~67

  • [雑誌論文] 東京都英語スピーキングテストをめぐる教育法の諸問題2022

    • 著者名/発表者名
      中嶋哲彦
    • 雑誌名

      季刊教育法

      巻: 215 ページ: 98~105

  • [雑誌論文] 佐古田好一の学校づくり実践における「子ども理解」の位置づけ2022

    • 著者名/発表者名
      富樫千紘
    • 雑誌名

      和光大学人間学部紀要

      巻: 15 ページ: 85~96

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 城丸章夫の「総合学習」批判の一考察―90年代の「領域化」論に着目して2022

    • 著者名/発表者名
      中村清二
    • 雑誌名

      教育学研究紀要

      巻: 13 ページ: 19~31

  • [雑誌論文] 小学校における主権者教育プログラムの開発-模擬投票の「判断の規準」を話し合う「規準対話型」授業の分析2022

    • 著者名/発表者名
      中善則
    • 雑誌名

      社会科教育研究

      巻: 145 ページ: 15~29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] コンピテンシー・ベースの教育改革の課題と展望―職業訓練を超えて社会への移行と大人としての自立のための教育へ2022

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 742 ページ: 16~27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学問による教育実践の省察と実践の改善に向けて―教育学と教員養成大学の復権を求めて2022

    • 著者名/発表者名
      磯田文雄
    • 雑誌名

      第13回教科開発学研究会発表論文集

      巻: 13 ページ: 1~8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アジャイルガバナンスによる大学教育の質の向上2022

    • 著者名/発表者名
      磯田文雄
    • 雑誌名

      IDE現代の高等教育

      巻: 637 ページ: 38~42

  • [雑誌論文] 学力崩壊を引き起こす国語新科目の迷走―観点別評価が招く矛盾と混乱2022

    • 著者名/発表者名
      小池由美子
    • 雑誌名

      教育

      巻: 921 ページ: 71~79

  • [雑誌論文] 高大接続「改革」とキャリア教育―政策分析と進路指導に関する一考察2022

    • 著者名/発表者名
      小池由美子
    • 雑誌名

      大東文化大学 教職課程センター紀要

      巻: 7 ページ: 7~16

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 図書紹介「『論理的思考』の社会的構築―フランスの思考表現スタイルと言葉の教育」2022

    • 著者名/発表者名
      磯田文雄
    • 雑誌名

      日本カリキュラム研究

      巻: 31 ページ: 87~88

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 観点別評価と学力形成の課題-新学習指導養老が高校教育に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      小池由美子
    • 学会等名
      大学評価学会第20回大会自由研究発表
  • [学会発表] 中嶋哲彦「Society5.0 の人材構想と教育政策―教育・人材育成システムの転換2022

    • 著者名/発表者名
      中嶋哲彦
    • 学会等名
      日本教育政策学会第 29 回大会課題研究「コロナ時代の教育と教育政策/統治」
  • [学会発表] 城丸章夫の「学習の総合化」論の検討―教科指導における「学習の総合化」にむけて2022

    • 著者名/発表者名
      中村清二
    • 学会等名
      日本教育方法学会
  • [学会発表] 社会参加をめざした「子ども新聞」づくり―NIEからの主権者教育へのアプローチ2022

    • 著者名/発表者名
      中善則
    • 学会等名
      日本NIE学会
  • [学会発表] 和3年度研究開発学校の研究課題についてー信頼される教育課程行政の復権を求めて2022

    • 著者名/発表者名
      磯田文雄
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会
  • [学会発表] 第2次ベビーブームへの対応―日本の私立大学はなぜつぶれないのか?2022

    • 著者名/発表者名
      磯田文雄
    • 学会等名
      日本高等教育学会自由研究発表
  • [図書] 教師の自律性と教育方法(教育『変革』政策の展開と教師の自律性―「教育DX×個別最適な学び」による脱学校化の行方)2022

    • 著者名/発表者名
      日本教育方法学会編(石井英真)
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      図書文化社
    • ISBN
      9784810027686
  • [図書] GIGAスクールのなかで教育の本質を問う(「はじめに」「1人1台端末において学びと授業づくりの軸を確認する―『主体的・対話的で深い学び』と『個別最適な学び』をどうつなぐか―」「1人1台端末が学校にとけ込んだゴールをどう描くか―『ICT活用論』の先へ―」)2022

    • 著者名/発表者名
      石井英真・河田祥司(石井英真)
    • 総ページ数
      22
    • 出版者
      日本標準
    • ISBN
      9784820807254
  • [図書] 2022長野の子ども白書―地域の中から、子ども・若者の今を考える(長野県内の大学・短大生の総選挙アンケートー学生は身近な課題から憲法をどうとらえているか)2022

    • 著者名/発表者名
      長野の子ども白書編集委員会編(小池由美子)
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      長野の子ども白書編集委員会

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公開日: 2023-12-25  

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