研究課題/領域番号 |
20H00104
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
筒井 健一郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90396466)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | サル / 神経トレーシング / ウイルスベクター / 電気生理学 / 多点電極 |
研究実績の概要 |
本研究では、神経トレーシング、電気生理学的測定、神経回路網解析、映像解析・合成にかかわる技術など、さまざまな革新技術を駆使しながら、サルを被検体とした動物実験を行って、これまでの研究の枠組みを超えた研究を展開し、情動を生み出している神経系の回路構成とそこで行われている情報処理への理解を深めるとともに、社会行動下での感情の機微や行動選択とその背景にある神経過程の間の動的関係性を解明することを目指している。 計画1年目の本年度は、4つの研究項目ごとに、次のような研究を実施した。 研究項目 1. 情動に関係した神経回路の構成の解析 ウイルストレーサーを用いて、側坐核、扁桃体、さらには、帯状回の各所を結ぶ神経経路を調べる実験を開始した。 研究項目 2. 情動に関係した複数の脳領域からの同時神経活動計測 MRI 構造画像の取得、以下研究項目 3 および 4 に記述する課題の訓練や行動データの取得など、経頭蓋磁気刺激による介入や、神経活動を計測を行うための準備を行った。 研究項目 3. 注視課題における情動反応と神経活動の静的解析 被検体のサルの顔の表情および視線方向をモニターしながら、注視課題を行わせ、既知・あるいは未知の、サルおよびヒトの表情のモーフィング画像を呈示し、情動反応を惹起した上で、顔の表情・眼球運動などの行動計測を行うための装置のセットアップを行った。 研究項目 4. 社会行動課題における情動と神経活動の動的解析 2 頭のサルをモンキーチェアに座らせた上で、イモの断片が入った凹みが並んだ板を挟んで向かい合わせ、同時にイモを取らせる「競合的エサ取り課題」を行わせながら、表情、視線方向、手の動作を、多点カメラで撮影するための装置のセットアップを行い、実験を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ状況下で、研究活動が制限される中、海外グループとの連携を視野に入れていた研究項目3については、準備を行うに留まったが、研究項目1などは予想以上の進捗をみて、全体としては、概ね順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、研究を進めていく予定である。コロナ蔓延の状況が悪化し、研究活動が今まで以上に制限された場合には、研究計画の見直しを行い、場合によっては、予算の繰越し・研究期間の延長なども考慮する。
|