研究課題
側坐核、扁桃体、帯状回の各所を結ぶ神経経路の解析については、これらの領域を結ぶ規則的な投射関係があることが明らかになった。帯状回の異なる領域(前部帯状皮質背側部、同膝前部、同膝下部)に順行性のウイルストレーサーを注入すると、それぞれ、側坐核、および、扁桃体の異なる領域が標識された。また、帯状回から扁桃体への投射については、とくにこれまで報告されていない新たな知見が得られた。大脳皮質から皮質下領域への投射は、深層に起始するのが通例であるが、帯状回膝前部からの投射に限っては、扁桃体基底外側核(BLA核)への投射が、深層に加えて表層に起始していることが見いだされた。このような特異な神経配線が、重要な機能的特徴を反映している可能性があるので、それを明らかにすることが今後の課題となった。また、神経活動の電気生理学的記録とその分析については、帯状回膝前部や前部帯状皮質背側部を起源とすると推定される特異的な活動が見いだされた。結果が良くないと予想される行為をあえて行わなければならないときに、これらの領域と運動側と対側の一次運動野手領域の機能結合が著しく上昇することが見いだされた。このような活動は、運動を止めたいという無意識的な過程を反映しているかもしれないと推測される。これは、結果の好ましくない行為や、危険な結果を生じると予想される行為を抑制するための機構に関係が深い現象として、今後の研究の対象としていきたい。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 9件、 招待講演 10件)
計測と制御
巻: 61 ページ: 303~308
10.11499/sicejl.61.303
The Journal of Neuroscience
巻: 42 ページ: 6380~6391
10.1523/JNEUROSCI.2286-21.2022
Frontiers in Human Neuroscience
巻: 16 ページ: -
10.3389/fnhum.2022.1092165
Experimental Neurology
巻: 357 ページ: 114168~114168
10.1016/j.expneurol.2022.114168