研究分担者 |
相澤 仁 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (00754889)
榊原 洋一 お茶の水女子大学, 名誉教授 (10143463)
室橋 弘人 金沢学院大学, 文学部, 講師 (20409585)
川島 亜紀子 (小林亜紀子) 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20708333)
舟橋 敬一 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 精神科, 副部長 (30383269)
松本 聡子 お茶の水女子大学, 人間発達教育科学研究所, 講師 (30401590)
齊藤 彩 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (30794416)
吉武 尚美 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (40739231)
加藤 曜子 流通科学大学, 人間社会学部, 非常勤講師 (90300269)
田中 麻未 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 特任講師 (90600198)
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研究実績の概要 |
本研究は、予防医学で始まった逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experiences: ACEs)研究と発達心理学のレジリエンス研究を統合的に継承し、①乳児期からの長期縦断サンプルを対象とした追跡調査を実施し養育環境リスクの影響性と影響防御メカニズムについて検討すること、②一般人口を対象とした大規模web調査を実施して幅広い年齢段階について検討すること、③養育環境リスクの早期発見と介入のためのアセスメントツールの開発を試みることの3点を目的として行われた。 2022年度は、①長期コホート研究の対象者に対する追跡調査(2,667名)を完了し、ACEsのネガティブな影響性はみられるものの、ACEsの悪影響を緩和する小児期の防御・補償的体験(Protective and Compensatory Experiences: PACEs)の有効性が確認され、ACEsの発生予防と同時に、ACEsを有する子どもたちに肯定的体験(対人的サポート、良質な生活・教育環境、趣味や集団参加活動等)を積極的に作っていくことの重要性が示された。②ACEsに関するより洗練された尺度である Maltreatment and Abuse Chronology of Exposure: MACEの日本語版の開発を原作者であるDr.Teicherらとともに進めた。③MACEを含む大規模web調査を実施し幅広い年齢層における検討を行うためのデータを収集した(20歳~79歳, 12,981名)。④社会的養護下の高校生を対象とする調査を開始した。⑤ACEsとPACEsを含む困難ケースに対する支援ツールの開発に着手した。⑥『Adverse and Protective Childhood Experiences: A Developmental Perspective』の翻訳を完了し発刊した。
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