未だ十分に解明されていない身体症状症のメカニズム解明を目的として、臨床群を対象に、自律神経系の予測処理機能の生理的変化と脳内活動を測定し、「結論を急ぐ傾向」と「自動思考性」から思考の歪みを検出する。また身体症状症への対処としてバイオフィードバックに着目し、プロトコルの開発を通じて症状改善を目指す。 身体症状症発症メカニズムを「心-脳-身体」関係から統合的に理解しようとする理論モデルは明快で説得力がある。多要因の関係性測定のための研究計画は整理されており、慎重に段階を踏む姿勢もうかがわれ実現可能性が高い。臨床群を対象とした臨床的ニーズも高い研究である。症状改善に向けた展開も社会的インパクトが高い。
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