研究課題
基盤研究(A)
連綿と続くガラス転移研究に果敢に挑戦する計画である。ジャミング系およびアクティブマターを対象とし、従来型「過冷却液体の物理」から「ガラス転移直近」へ迫る上での困難を解決した上で熱力学的知見とシミュレーション研究を組み合わせ、ガラス物理の統一描像構築を目指している。ガラス転移の概念を固体のレオロジーや生物の集団運動のモデルと繋げる試みや、そこに非平衡の概念を取り込む観点は新しい切り口と言える。自由度の配列がランダムに凍結するガラス転移と、その温度ゼロ極限ともいうべきジャミング転移の関係を解明することはガラス物理の発展に極めて重要である。本計画は研究の幅を従来の熱平衡系から非平衡系に拡張するもので、生物物理学も含めた広範囲の分野への波及効果が期待できる。