相分離流体や高分子流体など、濃度分布や界面をもつ「メソフルイド系」を対象として、比較的単純な粒子分散系に対する既存のシミュレーション手法を大きく発展させることで、濃度分布や界面の流動などの示す遅いダイナミクスを物理的に矛盾のない基礎方程式に基づいて計算するマルチスケールシミュレーションソフトウェアを開発・公開することで当該分野の発展に寄与する。 平衡系を取り扱う従来の理論では扱えなかった非常に遅いダイナミクスが重要な役割を演じる「メソフルイド系」の性質を、当該分野で高い評価を得ている数値シュミレーションの手法の更なる進化により解明しようという本計画の学術的意義は高く、その成果が期待される。また、多成分・多分散の高分子系のレオロジー予測を通じた先端材料の開発など工学的分野に対する貢献も期待される。
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