研究課題/領域番号 |
20H00130
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 憲二 京都大学, 理学研究科, 教授 (90243196)
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研究分担者 |
徳永 陽 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, リーダー (00354902)
青木 大 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30359541)
北川 俊作 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50722211)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スピン三重項超伝導 / ウラン化合物超伝導体 / 核磁気共鳴 / スピン磁化率 |
研究成果の概要 |
2018年に超伝導が発見されたUTe2(ウラン・テルル2)は15テスラ以上の高磁場で超伝導が増強し35テスラまで生き残る。また加圧によっても超伝導転移温度は上昇し、超伝導多重相的な振舞いの後、1.5GPaで超伝導は消失する。我々は高磁場、高圧でみられる超伝導多重相の振舞いを125Te核の核磁気共鳴実験から調べ、超伝導多重相では異なるスピン状態を持つ超伝導状態が実現しており、高磁場と高圧で見られる超伝導状態は性質が似ていることを明らかにした。UTe2はスピン自由度を持つスピン三重項超伝導であることが明らかになり、スピン自由度を持たない従来の超伝導体とは性質が異なることがわかった。
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自由記述の分野 |
低温物性測定
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の本科研費期間中に行った研究によって、スピン三重項超伝導候補物質UTe2において見られた超伝導多重相は少なくとも2種類のスピン状態性の異なる超伝導状態から構成されていることが明らかになり、UTe2がスピン三重項超伝導体であることが明らかになった。スピン三重項対による超伝導状態はヘリウム3の超流動状態とも多くの類似性を持ち、スピンの自由度を持つ量子凝縮相として大変興味深い。基礎物理の観点だけでなく、量子コンピューターへの応用も期待できる量子状態であり、今後更なる物性を明らかにしていく必要性がある。スピン三重項を確定づける結果が得られ大変意義深いと考えている。
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