研究課題
トポロジカル超伝導体特有のマヨラナフェルミオンの電磁応答の一般論を構築した。また、南部・ケルディッシュGreen関数の計算を整理することで、これまでなされていなかった空間反転対称性の破れた超伝導体接合における異常近接効果の研究を可能とし、その結果、スピン1重項s波のペアポテンシャルがp波超伝導体のペアポテンシャルよりも小さい限りは、異常近接効果が存在することを示した。更に、超伝導ダイオード効果を調べ、トポロジカル絶縁体上の接合においてその効果が顕著になることを示した。また、p波超伝導体表面に存在する奇周波数電子対の存在により磁束芯の準粒子状態がゼロエネルギーでギャップ構造を持つものが現れうることを示した。Sr2RuO4で新たに提案された軌道間1重項ペアが実現される多軌道超伝導体の表面状態の計算を行い、(001)面では明確なゼロエネルギー状態があることを示さした。CaAgPはノーダルライン半金属の候補物質であり、その表面にはドラムヘッド型の分散を持つ表面状態の形成が期待されており、またCaAgPにPdをドープすることにより超伝導が発現することが知られている。このPdドープCaAgPの磁気抵抗効果を2バンドモデルを用いて解析し、Pdが電子ドープになっており、ドープにより表面エレクトロンキャリアが増加することを明らかにした。また量子振動やBKT転移の解析により超伝導が表面キャリアに起因しており、得られたキャリア量と臨界温度TcがUemuraプロットにおける非従来型超伝導の領域にあることを明らかにした。この表面超伝導に対してトンネル分光を行ったところ、ドーム型のトンネルギャップ構造が観測され、表面超伝導がカイラルp波などのトポロジカル超伝導性を有する時間反転対称性の破れた超伝導体の新たな候補物質であることを示した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (21件) (うち国際共著 6件、 査読あり 19件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 15件、 招待講演 17件)
Annual Review of Condensed Matter Physics
巻: 14 ページ: 83~107
10.1146/annurev-conmatphys-040521-033133
Physical Review Research
巻: 5 ページ: L012022
10.1103/PhysRevResearch.5.L012022
Physical Review B
巻: 107 ページ: 064504
10.1103/PhysRevB.107.064504
巻: 107 ページ: 054501
10.1103/PhysRevB.107.054501
JPS Conference Proceedings
巻: - ページ: -
Physical Review D
巻: 106 ページ: 085006
10.1103/PhysRevD.106.085006
巻: 106 ページ: 165115
10.1103/PhysRevB.106.165115
巻: 106 ページ: 245427
10.1103/PhysRevB.106.245427
巻: 106 ページ: 214524
10.1103/PhysRevB.106.214524
巻: 106 ページ: 214520
10.1103/PhysRevB.106.214520
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 91 ページ: 123703
10.7566/JPSJ.91.123703
巻: 4 ページ: 043122
10.1103/PhysRevResearch.4.043122
npj Quantum Materials
巻: 7 ページ: 99
10.1038/s41535-022-00509-8
巻: 105 ページ: 214512
10.1103/PhysRevB.105.214512
巻: 105 ページ: 224506
10.1103/PhysRevB.105.224506
巻: 4 ページ: L022051
10.1103/PhysRevResearch.4.L022051
New Journal of Physics
巻: 24 ページ: 053014~053014
10.1088/1367-2630/ac6766
固体物理
巻: 57 ページ: 307-319