短寿命不安定核を含むXe同位体を対象として、SCRIT法という新たな技術を用いた電子散乱実験による原子核内電荷分布測定及び中性子半径の決定手法を確立することを目的とした研究である。従来のスペクトロメータに加えて前方検出器としてカロリメータを新設することで、原子核物質状態方程式の決定に重要な中性子スキンの厚さを測定することを目指す。 陽子や中性子の分布は、原子核研究で最も重要な物理量の一つであり、その中性子分布を原子核の電荷分布の4次モーメントに着目し電子散乱によって精度良く決定するというアイデアは斬新である。また、不安定核を対象とすることができるのは、研究代表者らが持つ独自の技術によるものであり、世界的にも独創性の高い研究である。
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