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2020 年度 実績報告書

シングルエンド励振方式加速空胴によるビーム強度増大化

研究課題

研究課題/領域番号 20H00166
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

山本 昌亘  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (30354749)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード高周波加速 / 陽子シンクロトロン
研究実績の概要

令和2年度については、シングルエンド励振方式高周波加速空胴の設計を行った。設計値については、現在J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器で使用されている既設のプッシュプル励振方式の高周波加速空胴と同等の性能を目指すため、2mの長さで36kVの加速電圧を発生できるよう設計を行った。
これまでのプッシュプル励振方式では、6つの加速電極で36kVを賄っていたため、一つの加速電極あたり6kVで済んでいたが、シングルエンド励振方式ではこれを4つの加速電極で賄う必要があるため、加速電極あたり9kVの電圧が必要となる。広い周波数帯域にわたって加速電圧を発生させるため金属磁性体を装荷した冷却槽を用意し、金属磁性体の発熱を直接純水によって冷却する方式は既存の加速空胴と同じ方式であるが、使用する金属磁性体の材料を従来のものよりも8割程度インピーダンスが高いものを採用し、さらにその金属磁性体を5枚冷却槽の中に設置することで、加速電極あたり9kVを発生させたときの発熱に金属磁性体が耐えられることを計算によって確かめた。
さらに、加速空胴の周波数帯域幅や共振点を設定するにあたって、加速空胴と並列に接続する空芯コイル及び、加速空胴に発生する電圧をモニターする回路が加速空胴の設計に重要な役割を果たすと判断し、実際に空芯コイル及び電圧モニターを設計・製作して高周波特性を測定し、それを加速空胴の設計に反映させることによって、最終的な加速空胴の設計を完了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和2年度に予定していたシングルエンド励振方式高周波加速空胴の設計について、既存のプッシュプル励振方式高周波加速空胴を設計・製作した経験及び金属磁性体の高周波特性や冷却槽内での振る舞いについての知見を基に実施したことで、当初計画通りに進捗したことから、概ね順調に進展している、と判断する。

今後の研究の推進方策

令和2年度にシングルエンド励振方式高周波加速空胴の設計を完了したので、令和3年度は実際に金属磁性体を装荷する冷却槽を製作する。その後、製作した冷却槽に金属磁性体を組み込んだ状態で高周波特性を測定し、設計通りの周波数帯域幅や共振点が得られていることを確認する。高周波特性が良好であったら、大電力高周波を投入できるテストベンチに加速空胴を設置して、実際に加速電極あたり9kVの電圧が発生できることを確認する。

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公開日: 2021-12-27  

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