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2021 年度 実績報告書

シングルエンド励振方式加速空胴によるビーム強度増大化

研究課題

研究課題/領域番号 20H00166
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

山本 昌亘  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (30354749)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード高周波加速 / 陽子シンクロトロン
研究実績の概要

令和3年度については、令和2年度に行ったシングルエンド方式高周波加速空胴の設計に基づいて加速空胴の製作を行った。加速空胴は広い周波数帯域にわたって加速電圧を発生させるための金属磁性体を装荷する冷却槽から成り立っており、所定の性能である加速電極あたり9kVを発生させるために、金属磁性体5枚を冷却槽の中に設置できる構造で製作した。
製作した冷却槽の中に実際に金属磁性体を装荷し、純水を満たした状態で加速空胴の周波数帯域幅や共振点などの高周波特性測定を行い、周波数帯域幅を示すQ値が2.3、共振点が1.7MHzであることを確認し、周波数特性が設計値通りに収まっていることが分かった。
その後、加速空胴を大電力試験を行えるテストベンチに設置し、真空管を用いた高周波電力増幅器から加速空胴に大電力を投入する試験を行った。そして、設計値である加速電極あたり9kVの電圧を発生できることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存のプッシュプル励振方式高周波加速空胴を製作した経験に基づいてシングルエンド方式高周波加速空胴の製作を行ったため、金属磁性体の高周波特性や冷却槽内での振る舞いについてある程度知見があった。そのため、本研究において製作するシングルエンド励振方式を採用した高周波加速空胴についても基本的な構造は既設のものを参考にしたため当初の計画通りに進めることができた。これにより、おおむね順調に進展することができたと判断する。

今後の研究の推進方策

令和3年度は、製作したシングルエンド励振方式高周波加速空胴について、テストベンチにおいて大電力高周波を投入する試験を行い、高周波加速空胴の健全性を確認することができた。令和4年度は、J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器トンネル内に高周波加速空胴を実際にインストールしてビーム加速試験を行う。現状の加速器で加速可能な最大1MWのビームを用いて、加速に必要な電源の電流値の測定を行う。これにより事前の予想通り、シングルエンド励振方式が既存のプッシュプル励振方式よりも加速に必要な電力が大幅に低減されることを実証する。

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公開日: 2022-12-28  

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