研究課題
基盤研究(A)
本研究は高い空間分解能の情報が得られる近傍銀河を対象に、最近、遠方銀河の研究で用いられている[CI]輝線の分子雲トレーサーとしての特性を明らかにすることを目的としている。そのために広帯域・高周波数分解能をもつ新しい分光計を開発し、チリにある国立天文台の電波望遠鏡ASTEに取り付け、近傍銀河 NGC 6822 の観測を行う。低金属量の分子雲では従来使用されてきたCO輝線によって同定される分子ガスよりも、C、C+が支配的になる「CO dark cloud」 となっている可能性が示唆されており、Cの分布を調べ、その輝線強度が物理的に何を反映するかを観測的に検証する意義は大きい。