多核種分析による完新世の極端太陽現象の頻度と規模解明

2020 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20H00173
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 三宅 芙沙 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (90738569)
• 研究分担者: 堀内 一穂 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (00344614) ; 宮原 ひろ子 武蔵野美術大学, 造形学部, 准教授 (00532681) ; 笹 公和 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20312796) ; 箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (30634414) ; 前原 裕之 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (40456851) ; 木村 勝彦 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70292448) ; 門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 教授 (80323161) ; 早川 尚志 名古屋大学, 高等研究院(宇宙), 特任助教 (10879787)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 宇宙線生成核種 / SEPイベント / 年輪 / 氷床コア

研究実績の概要

樹木年輪の炭素１４や氷床コアのベリリウム１０、塩素３６といった宇宙線生成核種は、直接観測で見つかっている最大のSEP（Solar Energetic Particle）イベントの数十倍という過去の超巨大SEPイベントの優れた代替データである。これまでに我々の宇宙線生成核種の分析から、775年や994年などの超巨大SEPイベントの痕跡を発見した（Miyake et al. 2012, 2013）。これは、我々の太陽でスーパーフレアが発生した可能性を示すだけでなく、現代社会に甚大な影響を与え得る極端太陽現象が将来発生する可能性を示すものである。本研究は、宇宙線生成核種の分析から、完新世（過去1万2千年間）における最大のSEPイベントの同定と、超巨大SEPイベントの発生頻度及びその発生特性の解明を目的とする。
今年度は、長期的な樹木年輪の炭素１４分析を実施するために、樹木試料の手配（日本、フィンランド、カリフォルニア産の樹木サンプル）や、試料調製装置（木片試料からグラファイト試料の抽出）の性能チェック、さらに分析に必要な環境作りを行った。また、SEPイベントのエネルギースペクトルを評価する上で要となる塩素３６の（南極ドームふじ氷床コア）分析を行った。さらに、トラバーチン堆積物のベリリウム１０データに過去の大規模SEPイベントがみられるか調査する足掛かりとして、トラバーチン分析を行うための環境整備を行った。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] The IntCal20 Northern Hemisphere Radiocarbon Age Calibration Curve (0?55 cal kBP) (2020)
  • 著者名/発表者名: Reimer PJ et al.
  • 雑誌名: Radiocarbon 巻: 62 ページ: 725～757
  • DOI: https://doi.org/10.1017/RDC.2020.41
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Findings from an in-Depth Annual Tree-Ring Radiocarbon Intercomparison (2020)
  • 著者名/発表者名: Wacker L et al.
  • 雑誌名: Radiocarbon 巻: 62 ページ: 873～882
  • DOI: https://doi.org/10.1017/RDC.2020.49
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [学会発表] Extreme solar particle events shown in carbon-14 data (2020)
  • 著者名/発表者名: 三宅芙沙
  • 学会等名: AGU Fall meeting
  • 国際学会