地球の周辺領域では、太陽風に含まれる重イオンが約10地球半径以上に広がる超高層大気と相互作用し、電子を奪う(電荷交換反応)ことでX線発光することが近年明らかにされた。その全体像を明らかにする超小型衛星GEO-Xに搭載する観測装置を開発する。これにより、電荷交換反応の理解と、太陽風に対する磁気圏の振る舞いや大気の流出を調べる新たな手段を確立する。 太陽風と地球大気の相互作用が明らかになることで、地球の理解が深まるだけでなく、大気流出の知見が深まることで系外惑星探査の新たな手段にもなり得る。全体像を捉えるために月付近まで衛星を打ち上げる必要があるが、超小型衛星への検出器の搭載を可能にすることで、実現へのハードルを大幅に下げることができる。
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