研究課題
本研究は、観測と理論が融合した「時間軸天文学」を推進し、宇宙に存在する突発天体種族の完全理解を実現するため、すばる望遠鏡Hyper Suprime-Cam(HSC)によって取得された観測データを解析するシステムを構築し、人類が観測可能な全突発天体を検出・分類することを目標に研究を行っている。本年は特に以下のような研究を行った。1. すばる望遠鏡HSCを用いて、アメリカとヨーロッパの重力波望遠鏡によって発見されたブラックホール合体GW200224_222234の追観測を行った。その到来方向は、重力波望遠鏡によって比較的精度よく決定され、56.6平方度(満月約220個分、到来方向の確率91%)を探査した。さらに、カナリア大望遠鏡を用いて発見された突発天体の母銀河の分光観測を行い、最終的にGW200224_222234と関連することが否定できない突発天体を19 天体同定した。しかしながら、この19天体の中に GW200224_222234との関連が強く示唆される天体はなかった。その他、突発天体およびその探査に関する研究として、以下のような研究も行った。2. Tomo-e Gozen Camera を用いた突発天体探査観測を用いて、数時間から1日の時間スケールで進化する短時間突発天体の探索を行った。しかし、超新星、変光星、クェーサー、矮新星以外の銀河系外の短時間突発天体の有望な候補は見つからなかった。その結果、短時間突発天体の発生率に制限を付けた。特に非常に明るい天体については最も厳しい制限をつけることができた。3. 高速電波バーストとは電波で短時間光り輝く突発天体である。その素性はいまだ明らかではなく、その解明のために他の波長での同時観測や追観測は重要な意味を持つ。私たちは15天体に対して光赤外観測を行い、高速電波バーストの光赤外線放射に対して上限値を与えた。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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