研究課題
基盤研究(A)
本研究は、含水小惑星の進化プロセスを、水を鍵として統一的に理解しようとするものである。用いる手法は、隕石や探査機リターンサンプルの分析というミクロなものから、天体観測による小惑星分光データのマクロなものまでを駆使する。これらの物質分析と天体観測で得られた知見を組み込んだ数値シミュレーションを行い、含水小惑星の進化プロセスを精密にモデル化し、天体スケールでの進化過程を解明することを目指している。分野融合的な研究であり、小惑星の水の起源・進化と地球の水の供給源を明らかにする上で学術的価値は極めて高い。特に応募者らが独自に開発した含水鉱物の水含有量と2.7μmバンドの吸収率のキャリブレーションは、地上の吸着水の効果を除去した画期的な研究である。この成果を天文観測や惑星探査へ応用することで大きな成果が期待される。