研究課題
研究実績の概要海洋堆積物に記録された過去の海流および陸源堆積物のシグナルについて、研究者らが開発した手法を使って分析を進めた。この装置を使った分析が、世界でもかなり限られた研究室でないと実施できないため、データの精度を担保することは重要である。東京大学の装置および研究協力者の海外での設備を使ったクロスチェックを行う予定だったものが、受け入れ側の都合で延期されたため、今回の経費を用いて実施をした。装置の構成が大きく異なるために、前処理にあたる化学処理のステップも、二つのラボで必ずしも完全に一致していないため、データの精度と確度の検討を詳細に行う必要がある。国際的に使われている標準物質を複数測定し、その結果を比較検討することで、どちらの研究グループでも問題なく正確なデータが出されていることが確認できた。つまり、東京大学で出されたデータと研究協力者のグループで出された結果は、再現性に問題がないことが明らかとなった。南半球で採取された試料の分析を進めていけることが確認された。並行して得られた成果の一部は学会で発表するとともに、国際誌に投稿した。また過去の気候変動と陸域および極域環境の変化と風化侵食との関係について文献調査を進めるとともに、古気候に関する知見について論文にまとめた。また年代測定の精度を上げるべく、放射性炭素分析の前処理装置の改良を進め、より微量でも安定したシグナルが加速器において分析できるような改良を行った。
2: おおむね順調に進展している
コロナ禍によってさまざまな活動が制限され、国内では実験室への立ち入りが、計画通り実行できずに分析速度を落とさねばならなかったり、海外への渡航が禁止されたりすることで、当初の予定位通りとまではいっていないものの、その中で工夫をこらして、データの分析を進めていきその結果が出てきているため。
いまだにコロナ禍から解放されている状況ではないため、またいつ実験室への立ち入りが制限される状況が生じるかわからない。しかし昨年度までより改善しており、かつこれまでの経験から、作業を分割して研究遂行を行う手段にある程度目処がついたため、計画に従って分析データを蓄積しつつ、得られた成果については滞りなく論文化していくべく努力していく。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 18件、 査読あり 18件、 オープンアクセス 18件) 学会発表 (47件) (うち国際学会 17件、 招待講演 5件) 図書 (1件)
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