研究課題/領域番号 |
20H00200
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
片山 郁夫 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10448235)
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研究分担者 |
吉田 晶樹 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 主任研究員 (00371716)
平内 健一 静岡大学, 理学部, 准教授 (10633290)
佐久間 博 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (20400426)
河合 研志 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20432007)
岡崎 啓史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究員 (90784257)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プレートテクトニクス / 熱クラック / 弾性的性質 / 岩石強度 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,熱クラックの生成がプレート強度に影響を及ぼしプレート沈み込みの開始につながるとの説を多角的に検証することである。本年度は,海洋プレートを構成する塩基性岩および超塩基性岩に熱クラックを導入し,ヤング率などの弾性的な性質がどのように変化するかを容器内変形試験機を用いた静水圧実験により調べた。その結果,クラック密度の増加とともにヤング率が低下すること,またその関係は弾性波の有効媒質理論で説明が可能なことがわかった。これらの実験結果に加えてプレートの強度モデルを計算することで,海洋プレート全体の弾性挙動が熱クラックの導入によってどう影響されるかを検証した。次年度以降は,それらのパラメーターを含めた数理モデルを検討するとともに,実験結果についてはデータを国際誌に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに準備した熱クラックを施した試料を用い,段階的に圧力を増加させる実験において弾性波速度を測定した。その結果,圧力の増加とともにクラックが閉鎖することで,弾性波速度は速くなり,有効媒質理論からクラック密度を見積もった。また,これらの実験結果に加えて,プレートの強度を流動則などを用いて計算することで,海洋プレートの剛性率や有効弾性的厚さを計算した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は,これら実験室で得られたデータを数値モデルに組み込み,プレートの開始が起きる力学条件を検討していきたい。また,熱クラックを発生させた試料を用いた水熱環境下での変形実験など,弾性的な性質に加え岩石強度の測定を行う予定である。
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