本研究では、最も微小な要素である電子に着目し、Anomalous電子(余剰電子/ホール)が原子間結合強度を変化させる機構を解明して、材料の強度・機械的特性を書き換える学理を構築することを目的とする。このため、電子を材料に注入・保持・吸引する技術、その変形・強度特性を評価する実験技術を発展させ、Anomalous電子による材料強度の書き換えを実証・評価する。また、実験結果を量子論的解析(第一原理解析)により評価することで、注入電子がどのような力学状態を形成するかを解析する。さらに、Anomalous電子の電子状態を解析し、その力学的特性である「電子応力」を抽出する独自理論により、理論的解明の基礎モデルを構築する。 本年度は、1.実験システムの構築と2.第一原理解析のための計算環境の整備を計画していたが、令和2年8月31日に重複規定の対象である基盤研究(S)の交付が内定したため、いずれも途中の段階で研究を終了した。なお、本研究と基板研究(S)の研究内容は関連しており、基盤研究(S)の計画に含まれる部分については継続して研究を進める。
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