研究課題/領域番号 |
20H00219
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸田 薫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (50260451)
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研究分担者 |
中村 寿 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (40444020)
森井 雄飛 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (50707198)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 燃焼 / リーンバーン / エンジン |
研究実績の概要 |
コロナ禍による実験装置(レーザ本体)の調達困難およびレーザ作動ガス納入の困難が重なり、研究が当初案より遅れた影響が、R3年度に続きR4年度も残る結果となった。C2H2の光改質実験用エキシマレーザは,当初予定のR2年度から大幅に遅れR4年1月に納入された。しかし運転に必要な作動ガスが世界的不足により納入されず、業者が保有する残ガスを借用することとなった。このため結果として、C2H2改質実験はR4年度になりようやく開始できた。C2H2の光改質が着火特定に及ぼす影響を調べる実験は本提案独自の着想であり、パルスレーザ(エキシマレーザ)を使用するため、光照射における種々の実験条件(照射場所、パルスレーザの照射回数、照射から着火までの時間等)を絞り込む過程に時間を要する。既存の着火実験装置を用いて光改質を行うための改修をR3年度までに完了したので、R4年度にかけて単成分の炭化水素燃料に対して、C1~C3、C8アルカンについて着火実験を繰り返し行い、着火実験の再現性、着火エネルギーとの相関が十分に得られことを確認、続いて光改質の有無による対比を実施した。ある程度想定はしていたが実際に、C2H2の光改質条件の見極めに極めて多数回の実験が必要であったため、結果として当初の遅れを取り戻すまでには至らなかった。しかしながらC2H2の光改質について実際に明らかな着火促進効果を確認できたことが最大の成果である。また並行してすすめた着火核の成長過程に関する数値計算では、国際会議および国内会議で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R3年度の終わりからR4年度にかけて、単成分の炭化水素燃料(C1~C3、C8アルカン)について着火実験を繰り返し行い、着火実験の再現性、着火エネルギーとの相関が十分に得られことを確認できた。これに基づき、光改質の有無による対比を行った。C2H2の光改質を行う条件のうち特に、パルスレーザの照射回数(本レーザは250Hz)、光照射から着火までの時間の2項目について、絞り込むために多数回の実験を必要とした。これは着火実験の特性として、最低でも同一条件で10回の実験を実施し、結果を統計的に処理する必要があるためである。結果的にレーザ照射回数は250Hzでは複数パルスの効果より最小パルス間における減衰の影響が上回り照射回数1回が最良であることが明らかとなった。さらに照射から着火までの時間については、100マイクロ秒から実験を開始したが、結果的にはさらに短い時間において光照射効果が確認された。最適時間の定量化には至らなかったが、C2H2の光改質について、明らかな着火促進効果を確認できたことが最大の成果である。以上により、より効果の高い改質条件の特定は翌年度に持ち越しとなった。(このため白色光源実験も計画が後ろ倒しとなった。)
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、本研究の開始がコロナ禍と重なったことによるレーザ調達の遅れ、レーザ作動ガスの調達困難による研究全体の遅れの取り戻しに向けて前年までに完了できなかった計画を進める。既存の着火実験装置を用い、エキシマレーザによる光改質効果の確認とその最適条件の特定と定量化に向けて実験を実施する。さらに光照射の結果生じる可能性のあるオゾンによる着火効果について、数値計算による効果の影響検討も実施する。C2H2+紫外光→C2H+Hを通じた改質効果が実際に起こることがR4年度までに確認出来ているので、より有効な改質条件を特定した上で希薄限界拡大効果を系統的に調べる。
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