研究課題/領域番号 |
20H00235
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田中 聡久 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70360584)
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研究分担者 |
篠田 浩一 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (10343097)
田中 雄一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10547029)
菅野 秀宣 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (90265992)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ブレイン・マシン・インタフェース |
研究実績の概要 |
侵襲型ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は、人間の脳から直接音声を伝達するための有望なニューロテクノロジーの一分野であるが、多くの課題を抱えている。本年度は、これまでに計測した7人の難治性てんかん患者の侵襲性皮質電位(ECoG)信号に対して、複数のフレーズからなる文章を発話させてある間のECoGから発話内容をデコード(推定)する「sequence-to-sequence」モデルに、Transformerエンコーダを組み込こんだ方法を提案し、実際にデコード性能の評価実験を実施した。脳波のデコードテストの結果、Transformerモデルによるフレーズ誤り率(PER)の最小値は16.4%、7人の中央値(±標準偏差)は31.3%(±10.0%)であった。このようにTransformerを用いた提案モデルは、従来の長期短期記憶モデルよりも有意に優れたデコーディング精度を達成した。また、音響特徴(MFCC)の利用によるTransformerエンコーダの学習への貢献度を確認した。その結果MFCCを加えたモデルは、MFCCを用いないモデルよりも高い精度を達成した。これは、学習段階で使用するMFCCは、必ずしも同一人物の音声から算出されたものである必要はないことを示唆した。これは、侵襲的BMIの将来的な可能性を強く示すものである。以上の成果は、信号処理分野ではトップカンファレンスである IEEE International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP 2022) に採択され、現地で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年からのコロナ禍により、解析に利用できる症例数を十分に確保できていない。
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今後の研究の推進方策 |
臨床担当の菅野と協力しながら,できるだけ症例数(計測データ数)を増やしていく.
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