研究課題/領域番号 |
20H00252
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒木 伸一郎 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 教授 (70400281)
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研究分担者 |
田中 保宣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 副研究センター長 (20357453)
児島 一聡 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (40371041)
大島 武 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 部長(定常) (50354949)
武山 昭憲 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 主幹研究員(定常) (50370424)
牧野 高紘 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 主任研究員(定常) (80549668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | シリコンカーバイド半導体 / 極限環境エレクトロニクス / CMOS集積回路 / 耐放射線デバイス / 電子デバイス |
研究実績の概要 |
本研究ではシリコンカーバイド(SiC)半導体を用いた極限環境下でも駆動可能な4H-SiC CMOS集積回路の構築を行い、またこれに伴う回路設計パラメータ群を整備する。これによりこの技術を多くの研究者が利用な形にし、IoTプラットフォーム化する。特に福島第一原子力発電所廃炉に必要とされるMGy(メガグレイ)級耐放射線集積回路構築を行う。目標は、高周波駆動:>100 MHz、耐放射線性(ガンマ線):> 2 MGy、超高温動作: > 500°Cでの動作可能なセルフアライン・短チャネル・高移動度4H-SiC MOSFETsを用いた集積回路の実現である。 令和2年度は集積回路の高周波動作のために、SiC CMOSプロセスの各技術要素を統合を進めた。研究要素は次のようなものである:1. 新提案セルフアラインプロセスおよび高精度イオン注入制御, 2. 短チャネル化技術, 3. キャリア高移動度化, 4. 高融点ゲート電極と仕事関数制御, 5. Nb/Niオーミック電極形成技術. これらに加えて6.エピタキシャル成長によるWell構造形成の研究を進めた。試作したデバイスの500℃までの超高温動作評価を実施し、またSiC NMOS/PMOS単体デバイスの回路設計用パラメータ抽出した。特に放射線曝露後・高温時での回路設計パラメータ抽出を行った。このデバイスパラメータを用いて4H-SiC CMOS 集積回路の設計に着手し、特にアンプ回路の設計試作を行った。極限環境エレクトロニクスが使いやすいように、仕様・インターフェースの検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SiC CMOSプロセスの各技術要素を統合を進め、複数の新規技術を統合した単体のSiC NMOS/PMOS試作・評価実施に加え、SiC半導体を用いた差動増幅回路試作・評価を行うことができた。超高温評価としては、500℃までの動作評価を行った。回路設計用パラメータの抽出も実施済みである。エピタキシャル成長によるWell構造形成も行うことができ、これを用いたデバイス試作も順調に進んでいる。SiCデバイス上のNiNbオーミックコンタクトの信頼性評価を500℃,100時間の条件で進めた。短チャネル効果抑制のためにMOSFETデバイスの3次元化に向けた研究も進めた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度も昨年度に引き続き、各研究要素の研究を進めつつ、これら研究要素を統合して集積回路化を進める。研究要素は次のようなものである:1. 新提案セルフアラインプロセスおよび高精度イオン注入制御, 2. 短チャネル化技術, 3. キャリア高移動度化, 4. 高融点ゲート電極と仕事関数制御, 5. Nb/Niオーミック電極形成技術. これらに加えて6.エピタキシャル成長によるWell構造形成。1. 新提案セルフアラインプロセスおよび高精度イオン注入制御および2. 短チャネル化技術については、デバイスの3次元化を進め、デバイスの短チャネル効果抑制を進める。3. キャリア高移動度化については現在のBa導入による移動度向上研究に加えてゲート酸化膜窒化の研究なども進める。4. 高融点ゲート電極と仕事関数制御と 5. Nb/Niオーミック電極形成技術については主な課題については令和2年度にほぼ研究完了しており、この技術をSiC MOSFETsに導入し評価を進める。6.エピタキシャル成長によるWell構造形成についてはデバイス集積化において検討課題があるが、これを解決しつつSiC 集積回路の試作・評価を進める。試作したデバイスごとに500℃までの超高温動作評価を実施し、回路設計用パラメータ抽出する。またデバイスへの放射線照射実験を行い、曝露後での回路設計パラメータ抽出を行う。このデバイスパラメータを用いて4H-SiC CMOS 集積回路の設計を進める。
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