研究課題/領域番号 |
20H00256
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
風間 聡 東北大学, 工学研究科, 教授 (50272018)
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研究分担者 |
堀 智晴 京都大学, 防災研究所, 教授 (20190225)
横尾 善之 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (90398503)
渡辺 一也 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (50463097)
糠澤 桂 宮崎大学, 工学部, 准教授 (20725642)
原田 守啓 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (00647042)
小森 大輔 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50622627)
峠 嘉哉 東北大学, 工学研究科, 助教 (90761536)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 過疎 / 洪水被害 / 河川管理 / 水源地 / 河川環境 |
研究実績の概要 |
各研究者において,現在から将来に至る災害曝露人口の地域分布と時間変化を議論するため全国において水害危険情報図GISデータ,人口推計メッシュデータ,経済センサス活動調査データを用いたGISデータベースを構築した.また,中小河川測量,護岸状態,植生状況および河床材料調査を行った. 東北 6県における将来 2045 年までの河川沿い人口変化をみた.どの県もおおよそ一定の割合で人口0地域メッシュ数が増加している.年間の人口0河川の面積変化は 2.5~7.5km2/年(河川長 5~14km/年)である.この人口 0 河川域は加速しており,その加速度はおおよそ 0.7~4.5km2/年 2(河川長 9km/年 2)であり,岩手県と福島県の加速度が大きく,青森と山形県は小さい値を示している.河川長に直すと 10 年間に中小河川 1 つ分ほど河川管理が不要になっている考えられ,一部の県のその区間は倍の速度に増加している. 分布型流出モデルを用いて土地利用変化の検討を行った.対象流域とした須川(流域面積約72.6km2)・大谷川(約48.6km2)は将来的に人口減少が顕著な流域であり,塙子沢(約3.1km2)は人口が 0 人の流域である.土地利用がすべて森林に変化し,河道の粗度が高くなる場合(森林化)について解析を行った.現土地利用の推定値と比較すると,10 月のピーク流量が森林化の際に塙子沢で 9.6%増加,須川で 1.7%減少した.須川流域では,河道や荒地等の粗度が高くなり流量が減少した.一方,塙子沢流域は現土地利用の96%が森林,3%が水田で構成されており,森林化により水田で抑制されていた流量が流出したことにより増加した.このことから,流域内の水田の割合が流量の増減に関係すると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの影響で現地調査,計測機器の設置,学会発表などが満足に行えておらず,また,人口減地域の河川管理者のヒアリングも十分に行えていない.次年度以降にネット面談などを活用する予定である.モデル構築や数値地図データの整理は順調であり,将来の流域人口減の水文変化は評価できるようになり,予定よりも進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
現地調査の不足によるサンプル数が解析必要数に足りておらず,加速度的に手分けをして実施する.また,個々の数値モデルが構築されており,情報共有を図りつつ,データの相互利用を進める.
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