研究課題/領域番号 |
20H00271
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平沢 岳人 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30268578)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 双腕ロボットアーム / 建築施工 / 障害物回避 / 強化学習 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、前年度までに主要な実験機材が調達できたので、予定通りの進捗となった。 7軸の腕型ロボットでは、通常の6軸タイプに比較してひとつ多い関節を有効に使うことで、同じ仕事をする場合に取りうる姿勢において冗長性を持たせることができる。建築現場における既設部分や仮設資材などを障害物と見なしたときに、これらを回避する姿勢にこの冗長性を活かすことができる。ロボット前面に障害物がありその背面に作業対象エリアがある状況を設定し、この状況でロボット自身の腕が障害物に接しない回避姿勢を取りながらも作業対象エリアに必要な位置および姿勢でツールを進行させる問題を強化学習を用いて解決した。令和3年度の段階では片腕分についての解決に留まるが、本研究で使用しているロボットは双腕タイプであり、同等の状況で2本の腕を回避姿勢を維持しながら協調させることも可能であるので、令和4年度では引きつづきこの問題について検討を続ける。 ロボットを作業場所まで移動させるという問題においても、既設部分や仮設・資材などがやはり障害物であるとみなすことができる。この問題に関してはロボットを積載する移動手段で解決すべき課題となるが、導入したAGVに附属するAI動作(回避行動が可能)および独自に開発中の強化学習による障害物回避ルート発見アルゴリズム両方で試験を行ったが、両者において優劣のない結果が得られた。令和4年度に予定する複合実験においてどちらを採用するか未定であるが、いずれを選択したとしても実験の支障とならない成果を得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度までは予定していた機材の調達に大きな遅れを生じていたが、令和3年度中に遅延は解消した。あわせて、本研究における重要な機能2項目に関して一定の効果を確認することができた。このため、令和4年度に計画している実験にも円滑に移行することができる。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、これまで開発してきた個別の機能を統合して、令和5年度に予定している連続的で総合的な実験の為の準備を行う。 7軸ロボットの回避姿勢有りの実行パスの生成については、単腕→双腕(+外部軸1)への拡張を行う。AGVに登載して移動先でロボットを働かせるために、ソフトウエアとしては回避動作付きの経路移動機能の向上を、ハードウエアとしては有線電源なしを前提としたモバイル電源システムの組込を、それぞれ計画している。
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