研究課題/領域番号 |
20H00278
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野々村 拓 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60547967)
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研究分担者 |
浅井 圭介 東北大学, 工学研究科, 教授 (40358669)
芳賀 臣紀 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (30646930)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | データ駆動科学 / 超音速流 / 超時空間解像計測 / 粒子画像速度計測法 / 空力音響 |
研究実績の概要 |
本年度は,計測に関しては昨年度に引き続き超音速自由噴流・衝突噴流の各種同時計測を行った.動的モード分解が適用できるように2つのPIVシステムやダブルパルスレーザーを利用した感圧塗料計測により時間間隔の短い2セットのペアデータを計測できるように計測システムを拡張した.感圧塗料計測に関しては感圧塗料を選定し光源をダブルパルスとすることにより,動的モード分解が実施できることを世界に先駆けて示した.アルゴリズムの開発に関しては,3次元再構成技術の確立,動的モード分解およびカルマンフィルタ・スムーザを利用した再構成アルゴリズムを開発した. 従来および上記の計測結果およびアルゴリズムを用いて超音速流れの再構成を行った.超音速自由噴流に対して,昨年度得られた粒子画像速度計測法とマイクロフォンの同時計測結果に基づく時空間超解像の結果を解析し,交互交差検証により適切なハイパーパラメタを利用することでスクリーチなどの特徴的な現象を再構成できることを明らかにし論文投稿した.さらに,スクリーチなどの特徴的な現象に関しては音響波の周方向フーリエ変換を利用して流れ場の3次元再構成も可能であることを示した.3次元再構成の結果から異なるスクリーチのモードの理解を大きく深めることができた.さらに,ダブルPIVシステムで得られたペアデータから動的モード分解ができることを示した.動的モード分解をベースにカルマンフィルタおよびスムーザを組み合わせた超時空間解像アルゴリズムを適用し乱流の大規模構造も再構成できることを明らかにした.平板に衝突する超音速噴流に対してもダブルパルスレーザーによる感圧塗料とマイクロフォンの同期計測データに対して動的モード分解をベースにカルマンフィルタおよびスムーザを組み合わせた超時空間解像アルゴリズムを適用し,予備試験の結果ではあるが時空間解像された圧力場の復元に成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染症対策のため、感染防止を考慮しながら実験を行う必要があり,若干の作業の遅れがあったため,一部アルゴリズム開発と実験の研究項目の実施を2022年度に行うように予定を変更した.これにより,実験において時空間超解像のための信頼たるデータを取得し,それを解析するための先進のアルゴリズム開発が可能となった.これにより予備的な時空間超解像計測に成功してきており当初予定よりも遅れては若干遅れてはいるものの順調に成果を創出してきている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は種々の条件で超音速流れの同期計測を進め,交互交差検証に基づく時空間超解像計測のアルゴリズムを適用することで物理現象の理解を進め,データベース化,論文化を行う.また本技術の超音速キャビティ流れなど様々な条件への適用を目指す.また,計画以上の研究内容となるが,乱流の大規模構造のみならず微細構造を含む流れ場の長時空間解像再構成技術の構築やより高精度な再構成アルゴリズムの開発などを検討する予定である.
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