研究課題/領域番号 |
20H00292
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
藤原 広行 国立研究開発法人防災科学技術研究所, マルチハザードリスク評価研究部門, 総括主任研究員 (80414407)
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研究分担者 |
上田 修功 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 副センター長 (60379568)
森川 信之 国立研究開発法人防災科学技術研究所, マルチハザードリスク評価研究部門, 主任研究員 (60414413)
前田 宜浩 国立研究開発法人防災科学技術研究所, マルチハザードリスク評価研究部門, 主任研究員 (00594160)
岩城 麻子 国立研究開発法人防災科学技術研究所, マルチハザードリスク評価研究部門, 主任研究員 (30770309)
市村 強 東京大学, 地震研究所, 教授 (20333833)
八谷 大岳 和歌山大学, システム工学部, 講師 (00578908)
岡崎 智久 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (80868422)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 強震動 / 機械学習 / 地震ハザード評価 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
(1)強震観測記録の地震動強さ指標・震源情報・サイト情報をデータベース化した「強震動データベース」の回帰による地震動予測式(GMM)構築のため、今年度は以下の検討を行った。 ・強震動データベースによる観測値と既往のGMMの予測値の差を取った「残差データ」を作成し、既往のGMMに対して規模の小さい地震や遠距離の小振幅域の予測精度を向上させるための補正項を求めた。 ・強震動データベースに基づき、観測点特性や伝播経路を学習する地震動予測ニューラルネットワークを構築した. ・観測記録の大振幅域等の不足を補うためにシミュレーションデータを活用するために、その精度や分布について議論した。 (2)予測地点を特定したGMMによる"点の予測"から"面の予測"に展開することを目的としたDeep inpainting と空間分布マッピングの組み合わせによる地震動データの空間補間方法の開発を行った。今年度は、南海トラフの巨大地震を対象としたシミュレーションデータと計算に用いた3次元地盤構造モデルを用いて、地震動空間分布に影響を与えるファクターである地盤構造に基づき位置特性マップを生成することを試みた。 (3) 地震動の地盤増幅特性に関する人工知能構築に必要となるシミュレーションデータを生成するための、非構造有限要素による高詳細な三次元地盤増幅シミュレーション手法の開発を行った。高詳細なシミュレーションで高度な構成則を用いる場合、その解析が不安定化することがある。本年度は、この不安定要因を生成されたデータから検討し安定化する手法を構築するとともに、生成された高詳細データを用いた人工知能構築手法についても検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画は大きく(A)観測とシミュレーションデータを融合した強震動ビッグデータの作成とそれを用いた(B)強震動予測モデルの作成からなるが、研究実績の概要に記したように、それぞれについてほぼ計画に沿った進捗があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
強震動データべースの構築に関して、データベースの性能評価の観点からシミュレーションデータの活用方針を検討する。シミュレーションデータから学習した非線形地盤応答モデル構築のための基礎的研究として、3次元非線形地盤応答解析を用いた基礎的検討を進める。 強震動データベースに基づく地震動予測式(GMM)の構築に関して、伝播経路を特定したニューラルネットワーク構築の検討を引き続き進める。また、Deep inpainting による地震動の空間補間手法について、南海トラフの巨大地震を対象としたシミュレーションデータを用いて適用性の検証を進める。
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