研究課題/領域番号 |
20H00293
|
研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
向井 智久 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (30318208)
|
研究分担者 |
倉田 成人 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (00416869)
田嶋 一之 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 施設部, 主任研究開発員 (10866023)
衣笠 秀行 東京理科大学, 理工学部建築学科, 教授 (00224999)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | GNSS / 高精度時刻 / 即位情報 / 被災判定アルゴリズム / 修復性評価 |
研究実績の概要 |
本研究は、災害後迅速な対応が求められる災害拠点建物群の早期復旧に資する衛星情報を活用した被災判定自動化技術の開発を目的とし、次の研究項目を実施し、災害後迅速に復旧できる都市形成促進に寄与することを最終目的とする。今年度は以下の項目を検討した。 (1)高精度に時刻同期された加速度計とGNSSセンサが災害時に連動する自動計測装置の開発として、メインユニット開発については、建物の頂部変位を計測するGNSS測位センサの観測データを損傷評価の観点から必要となる計測精度を明らかにするため、変位50㎜以下の応答波を多数実施する屋外実験を実施し、新たな受信機チップの精度把握を行った。さらに後処理解析の算定アルゴリズムの自動化を行い、RTK測位結果との比較が実施できるような機能を配信ユニットに付加し、動作の正常性を確認した上で実建物へ設置した。一方、メインユニットとの連携を図るサブユニットとして、GNSS信号入力機能を有する市販のセンサに、屋内で時刻情報を付与できる機器を開発し、検証実験を実施し,それらが使えることを確認した。 (2)計測データから被災情報等を判定するアルゴリズム開発として、過去の地震被害を受けた後に修復された被災建物の情報を収集し、上記で得られた特異点から修復時間を算定する方法を適用し、地震時に計測されるデータから被災情報として部材に生じる損傷量や修復時間を評価するアルゴリズムを検討したところ、概ねそれらの手法が適用できることを確認した。また当該アルゴリズムを用いて被災情報を判定するために必要となるデータを作成し,それらを用いた評価ができることを確認した。 (3)多くの建物の被災判定を自動化させるスケーラビリティのあるシステムの検討として、観測データをオンライン上で扱うシステムを検討し、本課題の予算で実施できる規模の設計を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度繰り越した項目も実施できたことから、現時点で予定通り実施できたため
|
今後の研究の推進方策 |
ここまでに当初の予定通り検討が進められているため,最終年度は当初計画通り,実建物への適用を進め,提案するシステムの検証を行うとともに,被災判定を自動化するためのシステム構築を進める。
|