研究課題/領域番号 |
20H00295
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 精一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60241353)
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研究分担者 |
JEEM MELBERT 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (00815805)
柴山 環樹 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10241564)
岡本 一将 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (10437353)
張 麗華 北海道大学, 工学研究院, 助教 (60719714)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 水中結晶光合成 / 光ガルバニック効果 / 光化学反応 / 水中ラジカル / ヘテロナノ構造 / 3Dナノ構造 / 光電気化学 / 太陽光利用 |
研究実績の概要 |
本研究は、水と光(可視光から紫外光)のみを用いる水中結晶光合成により、常温、大気圧、不純物無、さらに中性の水環境条件においても、金属原料からの酸化物ナノ構造体を一括作製可能にする手法の確立を目指し、将来の太陽光利用によるグリーンサステイナブルな材料生産を最終目的としている。原理的には水のみを用いるため、酸化物と水素しか生成しない、究極的、独創的な新グリーン材料創製手法である水中結晶光合成をさらに発展させ、ガルバニック効果を付与した水中結晶光合成(Galvanic-SPSC)の学理構築をまずは行う。さらに、それに基づく半導体ヘテロ接合機能の特徴を生かした多機能で高効率な光・電子変換機能性を有する3次元ヘテロナノ構造体創製を目指す。 これまで、マスクパターンやメッシュ等を用い所定の箇所に各種金属酸化物のナノ構造を積み上げ、光・電子デバイスや光機能デバイス作製応用を行った。異種金属を使い、光ガルバニック効果(ガルバニック効果と光照射効果)により、各種金属のSPSC最適組み合わせを調査し、疑似太陽光照射を用いながら量子効率評価を行い、光・電子デバイス創製を行なった。 具体的には、光電気化学測定を行い光照射効果による物性変化評価を行い光の波長、照射強度依存性を詳細に定量測定した。また、XPS,XRD,SEM,STEMによる材料組織解析ならびにPL,CLによる発光特性の光物性調査を行った。ヘテロナノ接合界面での特異な格子欠陥を同定するために、PLやCL測定に加えSTEM-EELS、吸光度測定、密度汎関数法に基づく第一原理計算から電子状態密度と誘電率評価を行い、光物性の発現機構を総合的に調査した。 以上の結果を都合8編の論文成果物として公開することができた。今年度は5編、うち2022年一月にプレス発表一件を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画した、研究項目はほぼ予定通りに終了し、その研究成果を都合8編の論文成果物として公開することができた。内、今年度は5編、さらに2022年1月には、論文成果をもとにプレス発表を一件を行うことができた。 ・半導体界面の特異電子構造の解明に成功(2022/1/13) ~今後の太陽電池や LED 開発への貢献に期待~ 2022 年 1 月7日(金)公開の Applied Materials Today 誌にオンライン掲載
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今後の研究の推進方策 |
当初計画した、研究項目はほぼ予定通りに終了したため、その研究成果をさらに論文成果物として公開する予定である。 研究の最終総括として、レビュー誌への投稿準備をすることを予定している。 また、将来の当該研究のさらなる進展のために、当初計画にはない、水中結晶光合成を利用した多元系複合ナノ材料開発への新たな応用化を進める準備を行う。
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備考 |
2022年1月、論文成果をもとに大学HPよりプレス発表。 ・半導体界面の特異電子構造の解明に成功(2022/1/13) ~今後の太陽電池や LED 開発への貢献に期待~
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