研究実績の概要 |
本年度は以下の成果を得た。 本年度は、既存の16分割型検出器を用いて, 位相コントラスト伝達関数のS/N比を最大化するような各セグメント像の重み付け演算手法を検討し、低ドーズでも極めて高いコントラストで原子分解能像が得られる新たなSTEM手法(OBF法)の開発に成功した。また、この手法を実際の実験に応用し、Li系正極材料中のLi原子を他の明視野STEM法に比べて高いS/Nで結像できることを実証した。また、上述のOBF法を他のSTEM位相イメージング法(BF, ABF, DPC, タイコグラフィーなど)とPCTFを用いて定量的に相対比較し、広い空間周波数に渡ってOBF法が少ない電子数でも高コントラストに観察できる優位性を有することを実証した。更にOBF法を実時間観察に用いるためのアルゴリズムを開発し、実際の実験ソフトウエアに実装して検証を行った。
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