研究実績の概要 |
基盤研究(A)の目的はヘテロ接合窒化アルミニウム(AlN)からのキャリアドーピング、およびナノラミネート酸化物薄膜の巨大誘電率効果を利用して、高濃度キャリアを確保・制御する原理の実証とともに電界効果トランジスタを作製ことにある。2022年度の研究実績は以下の通りまとめられる。 ①2021年までに確立した原子層堆積(ALD)型MOVPE法により、従来に比較して原子層レベルで平坦且つ配向性・結晶性に優れるサファイヤ基板上AlN単結晶薄膜の成長に成功し論文発表した。[Imura and Koide et al. AIP Advances, 12 015203 (2022)] ②TiOx/AlOyナノラミネート膜の巨大誘電率のメカニズムを解明する目的に沿って、二つのメカニズム仮説「擬似混晶としての金属界面の空乏層容量」および「酸素空孔拡散・蓄積に起因する界面ダイポール生成」を提唱する論文を発表した。[Liu, Imura, Liao, Koide et al. Nanomaterials, 13, 1256 (2023)] ③関連して進めてきた、ダイヤモンドに対してアクセプタドーパントであるボロン(B)を添加した酸素終端ダイヤモンドに対してALD-Al2O3をゲート酸化膜とするMOSFETを世界最高性能のドレイン電流値を達成し、論文発表した。[Liu, Koide et al. IEEE Tran. EDL, 70, 2199-2203 (2023)] ④同様に関連して進めてきた水素終端ダイヤモンドのMOSFETのコンタクト抵抗、チャネル抵抗、及び表面抵抗を解析することによってFETデザインによる抵抗低減の重要性を提案した論文発表を行った。[Liu, Koide et al. IEEE Trans. EDL, 69, 1181-1185 (2022)]
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