微生物を用いた物質生産は、どの化合物を作ろうとも必ず微生物の増殖を必要とするため、増殖に必要な前駆体から作られる有用化合物の生産性は低下する。本研究では、増殖に使う代謝経路と生産の代謝経路を別立てにすることで、様々な前駆体群を十分量供給できるプラットフォーム微生物を構築する。これにより、微生物による有用化合物の生産性と収率を向上させる基盤技術の開発を目指す。 微生物の代謝の使い分けにより、増殖と物質生産の両方を制御できる新たな物質生産系を構築する独創的な研究である。学術上、および実用上の意義として、これまでのジレンマ「増殖と生産が前駆体を取り合う」を解決できる可能性があり、非常に興味深い。
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