高速AFMは、機能中の生体分子の形状と動きを同時に観察できるユニークな顕微鏡である。しかし、従来の時間分解能では観察できない生命現象はたくさんある。そこで、より広範な生命現象にアクセスできる顕微鏡の開発を目指して、高速AFMの時間分解能を律していたZスキャナー、カンチレバーの振幅計測器、カンチレバーの応答速度を大幅に短くすることに成功した。さらに、開発したデバイスを含んだ高速AFMを用いて、リボソームストーク複合体に翻訳因子が集合する過程やCRISPR-Cas3がDNAを巻取りながらDNAを長距離に渡って切断する様子などの観察に成功し、生物学的に意義深い新知見を得ることができた。
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