現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、長期蓄熱固体の実現に向けて、固相において一次相転移を示す錯体の設計および合成を行うことを目的としており、その中で2段階スピンクロスオーバーを示すFeRe錯体(Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59, 15741)、室温双安定性を示すNiFe錯体(Angew. Chem. Int. Ed. 2021, 60, 2330)を合成できたことは着実な進展である。これらの錯体は、圧力、光に対する応答性も有しており、外部刺激応答性相転移材料への応用も期待できる物質である。NiFe錯体の成果は、国際学術誌Angew. Chem. Int. Ed.のVery Important Paperに選ばれるとともにBack Coverに掲載された。この他にも、再吸収特性を利用した発光温度計機能を有する希土類錯体など、新しい機能性を有する錯体の合成にも成功しており、おおむね順調に進展していると言える。
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