研究課題/領域番号 |
20H00392
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
有賀 克彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (50193082)
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研究分担者 |
竹谷 純一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20371289)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 超分子化学 / 表面・界面物性 / ナノ材料 / センサー |
研究実績の概要 |
本研究提案では、我々が持つ世界最高峰技術と世界最先端技術を連動させた新しいセンサーデバイスパラダイムを開発する。検体(ゲスト)分子を認識する単分子膜と高分子半導体薄膜を張り合わせて FET (Field Effect Transistor) などのセンサー表面に固定化する。検体分子が認識単分子膜に捕捉されるとドーパントイオンが高分子半導体にイオン交換で高濃度に注入され、その導電性が絶縁性(あるいは半導体性)から金属導電性に変換されるというメカニズムを用いる。わずかな量のターゲット分子が存在すると物質の導電性を劇的な変化引き起こす超高感度センサーという、これまでにないセンシング方式を開拓する。本研究は、特定ターゲットの検出を高感度に行う、センシングのチャンピオンデータをだすという、技術的な側面を追及するものではない。分子の特異認識と物質の導電性を制御するという二つの代表的な分子現象を連動させて、外部刺激を人工的なデバイスに送り込むという、大きなパラダイムを創成することを目的とする。本研究は、特定ゲストに特定されたセンサーシステムやセンサー感度の数値目標の達成を目的とするものではないが、下記のような具体的な目標を立てたうえで研究する。生活・環境・医療に対して重要な評価指針となる化学物質、特に河川や湖沼の富栄養化をもたらす汚染物質にもなるリン酸塩、がん細胞で過剰に生産されるATPあるいはDNA、ヌクレオチドなどの生体重要物質をターゲットにしたセンサー系を開発する。本年度は、高分子半導体(poly[2,5-bis(3-tetradecylthiophen-2-yl)thieno[3,2-b]thiophene] (PBTTT))の超薄膜を Langmuir-Blodgett (LB)法で作製し、その構造を詳細に調べたところ、ハイクオリティーの薄膜作製のためには、作成温度の制御が極めて重要であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基盤となる有機半導体薄膜の高品質化に成功し、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度、高分子半導体(poly[2,5-bis(3-tetradecylthiophen-2-yl)thieno[3,2-b]thiophene] (PBTTT))の超薄膜を Langmuir-Blodgett (LB)法で作製し、その構造を詳細に調べたところ、ハイクオリティーの薄膜作製のためには、作成温度の制御が極めて重要であることが分かった。この予備的な知見を基にして、本年度はこれまでの常識を破るような水の沸点温度 100 ℃を超えるような条件での超高品質高分子薄膜の作製に挑戦する。また、センサー膜として、当初予定の官能性単分子膜のほか、フラーレン集合体からなるナノカーボン超分子薄膜がある毒性有機物に対する非常に高い選択性を持つ吸着能を示すことがわかってきたので、これらの薄膜もセンシングユニットとして用いる。これら多様な薄膜を用いて、認識する単分子膜と高分子半導体薄膜との接合性の検討を行う。
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