研究代表者らが見出したマンガンケイ化物における非整合構造に由来する高い熱電特性の解明と世界最高の熱電出力密度(1 kW/m2)を実現する研究課題である。具体的には、フォノン輸送の第一原理計算、非整合ナノドメイン分裂の形成メカニズム解明、微細組織と格子熱伝導率の相関の把握、不規則ドメインの形態制御による低熱伝導率化、発電モジュールの試作と発電特性評価を実施する。 対象とする熱電材料としてのマンガンケイ化物は研究代表者らが新規性・独創性を有する材料であり、高い出力因子を実現するポテンシャルを有していると考えられる。格子熱伝導率を下げる指針を得るために、フォノンの第一原理計算を非整合構造に拡張するなど学術的意義も高い。精緻な実験計画により目的とする熱伝導率0.8 W/Kmの達成が期待される。
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