我が国が直面する超高齢・人口減少社会において、健康寿命を延伸させ、健康な高齢者が構成する社会の構築は喫緊の課題である。健康寿命は、自立活動の送れる期間であり、骨格筋機能を正常に維持することが必要である。本研究では、ヒト骨格筋モデルとして、ヒトiPS由来骨格筋細胞を用いた機能検証並びに、骨格筋機能維持のための抗加齢食品成分の探索を目的としている。 本研究の学術的「問い」は、ヒトiPS骨格筋細胞培養系が生体内を反映した実験系であることを実証することであり、評価解析系を樹立することが重要な点である。さらに、骨格筋由来エクソソームが骨格筋機能を評価する指標となり得ることを証明し、抗加齢食品成分の探索が行われる。ヒトiPS骨格筋細胞を食品科学研究と結びつける試みはなく、独創性に富んでおり、極めて意欲的な研究である。
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