研究課題/領域番号 |
20H00415
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
田村 廣人 名城大学, 農学部, 教授 (90267972)
|
研究分担者 |
出来尾 格 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80338128)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | MALDI-TOF MS / 微生物同定 / 皮膚マイクロバイオーム / プロテオタイピング / S10-GERMS法 |
研究成果の概要 |
本研究は指標タンパク質の質量の違いにより細菌を同定・識別するS10-GERMS法を発展・進化させ、皮膚細菌叢のStaphylococcus 属細菌の6種を対象とし、単離せず混合菌の状態で迅速・簡便に同定する信頼性のある識別法の確立を目的とした。 その結果マトリックス剤をシナピン酸としたプレコーティング法にてバイオマーカを再現性良く100%検出できた。次に、臨床単離株33株を用いて分析した結果、選択したバイオマーカにて首尾よくStaphylococcus属細菌6種を同定できた。さらに、バイオマーカを可視化するソフトを検証した結果、混合菌の混合比率は不正確であったが、目的とする構成菌は識別できた。
|
自由記述の分野 |
環境微生物学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト皮膚マイクロバイオームの解析はNGSやMALDI-TOF MSフィンガープリント法では株レベル識別が困難であり、菌叢解析の技術的制約から臨床的な視点での病態解明に十分アプローチできていない。本研究は皮膚マイクロバイオームの構成菌を単離せず混合菌の状態で迅速・簡便に同定可能な信頼性のあるバイオマーカの探索と100%検出する手法を確立し、皮膚常在菌の種・亜種レベルでの解析の可能性を見出した。本成果は学術的独自性と創造性に優れており、国内外のヒトマイクロバイオームのバランスを整える治療へ甚大なインパクトを与えるのみならず、食品産業および環境分野等へも応用可能であり、社会的意義が高い。
|