| 研究課題/領域番号 |
20H00422
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| 研究機関 | 熊本大学 |
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研究代表者 |
澤 進一郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (00315748)
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| 研究分担者 |
佐藤 豊 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (40345872)
刑部 祐里子 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (50444071)
岩堀 英晶 龍谷大学, 農学部, 教授 (10355646)
石川 勇人 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80453827)
村田 岳 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 研究員 (90760364)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | 植物感染性線虫 |
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| 研究実績の概要 |
植物感染性線虫の農業被害は、年間数十兆円と試算されている。本研究では、植物感染性線虫の感染機構において、線虫の誘引から植物への感染成立過程まで、幅広く、多種植物を用いてその分子メカニズムを解析する。また、その結果を利用して、農業分野への応用研究の基盤整備を行う所まで、幅広く線虫問題の解析と解決に貢献する事を目的としている。本研究では、まず植物の線虫誘引・忌避物質の同定を目指す。また、線虫感染に関わる植物側因子の解析を進め、線虫感染機構の全体像を明らかにすることを第一目標としている。さらに、このような幅広い観点から線虫感染機構の解析を行うだけでなく、第二の目標として、その知見を作物生産に応用する。
１:線虫誘引・忌避物質の同定と農学的線虫対策応用研究（基礎研究・応用研究） I: タバコBY2培養細胞の培養液とセイヨウミヤコグサの根抽出液を大量に調整し、誘引物質の精製を行った。精製には、液液分配や、分子量、極性を利用して分画した。II: 種子ムシゲルの誘引物質の同定を行う。その結果、糖成分が検出され、その糖分析を行った。III: ケミカルライブラリーを用いた線虫誘引・忌避物質の同定を行い、複数の候補を得た。また、市販の綿抽出物が、線虫行動を不活性化させることを明らかにした。
２：線虫感染に関わる植物側遺伝子の分子機構の解明（基礎研究） I: エフェクター遺伝子の植物内での分子機構の解明（シロイヌナズナ）。既に我々が同定しているエフェクター蛋白質、MJD15とMSP7の植物細胞内ターゲット因子として、これまでに、それぞれ、MAPKKKとB3転写因子を見出している。本研究では、これらのシグナル伝達因子群の分子遺伝学的機能解析のために、過剰発現体や突然変異体の整備を行った。II:様々なイネ品種を用いたセンチュウ感染の抵抗性を試験の結果をうけ、ＱＴＬ解析を行い、線虫抵抗性を付与する遺伝子座の絞り込みを行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目１では、タバコBY2培養細胞の培養液とセイヨウミヤコグサの根抽出液を大量に調整し、誘引物質の精製を行った。精製には、液液分配や、分子量、極性を利用して分画した。ピークがシャープになり、精製度合が高まっていることが明らかとなっている。また、極めて興味深いことに、市販の綿（脱脂綿）の抽出液に、線虫の行動を不活化させる活性を見いだした。この活性により、環境に優しい線虫対策農業資材の開発に繋がると期待できる。研究項目２についても、変異体と過剰発現体の整備が終了したので、来年度の詳細な分子遺伝学的解析につながると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後、大きな二つの項目について研究を行う。
１線虫誘引・忌避物質の同定と農学的線虫対策応用研究 ⅰタバコBY2培養細胞の培養液とセイヨウミヤコグサの根抽出液を大量に調整し、誘引物質の精製を行う。ⅱ種子ムシゲルの誘引物質の同定を行う。現在糖成分が検出されている。その構造についてせまる。ⅲケミカルライブラリーを用いた線虫誘引・忌避物質の同定を引き続き継続する。
２線虫感染に関わる植物側遺伝子の分子機構の解明 ⅰエフェクター遺伝子の植物内での分子機構の解明。既に我々が同定しているエフェクター蛋白質MJD15とMSP7の植物細胞内ターゲット因子として、これまでにそれぞれMAPKKKとB3転写因子を見出している。本研究ではこれらのシグナル伝達因子群の分子遺伝学的機能解析を引き続き行う。ⅱ様々なイネ品種を用いたセンチュウ感染の抵抗性を試験の結果をうけQTL解析行い線虫抵抗性を付与する遺伝子座を絞り込む。
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