研究課題/領域番号 |
20H00423
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
福田 弘和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90405358)
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研究分担者 |
高山 弘太郎 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 教授 (40380266)
永野 惇 龍谷大学, 農学部, 准教授 (00619877)
峰野 博史 静岡大学, 情報学部, 教授 (40359740)
谷垣 悠介 県立広島大学, 生物資源科学部, 講師 (80757154)
森 直哉 玉川大学, 学術研究所, 助教 (40804050)
徳田 功 立命館大学, 理工学部, 教授 (00261389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 植物工場 / オミクス / 不安定性 / 栽培環境最適化 / フェノタイピング |
研究実績の概要 |
植物生産システムの高度自動化における生体内のノイズ増幅・不安定性を解明し、自動制御における安定性の確立を目指した。本研究は、(A)新規技術の確立(ノンパラメトリック栽培環境最適化による不安定性の低減技術)、(B)数理・情報学的基盤の確立(多重周期性と不安定性の数理モデル)、(C)生理学的機序の解明(生育不安定性の生理学的機序解明)、の3つの項目から構成される。 2020年度の実績は次の通りである。(A)人工光植物工場(レタス日産6000株)における改良型の生産フロー数理モデルに、概日リズムの撹乱による生育不安定性理論を組込むための理論考察(cooperative field理論)を行った(継続中)。また、レタス苗集団を対象に、画像解析技術(オプティカルフロー、セグメンテーション法)を用いて精密な生育プロセス・データを取得した(峰野ら)。(B)レタス植物工場における2時間毎28日間分の時系列RNA-Seq解析を行った(谷垣・永野ら)。また、概日リズムの位相応答に関する新手法を開発した(福田・徳田ら;Nat. Commun.掲載、他1報)。(C)ストレス関連遺伝子群の動態解析(谷垣、永野、森)として、レタス時系列RNA-Seq解析を行い、オントロジー解析よる機能同定を行った(継続中)。またROS(H2O2)解析により、ストレスの強度を定量化した(森ら、論文投稿準備中)。さらに、抗酸化酵素活性(SOD, APX, CAT)、抗酸化物質(AsA, GSH〔GSSG〕)、脂質酸化のストレスマーカー(MDA)を定量化するための基礎準備を行った(継続中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2020年度は、「概日時計の応答性に関する基本理論」を新規に開発することに成功した。これはNature Communicationsに掲載され、Editor’s highlightの一つとして特集された(新聞報道2件)。さらに、光サイクルと温度サイクルから構成される「複合サイクルにおける位相差」が、概日リズムに与える影響を予測できる数理モデルを構築することに成功した(Frontiers in Plant Science誌に掲載)。このように、極めて重要な成果を得ることができたため。 また、共同研究者らとの情報交換も密であり、未発表データも含め、多くの成果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況は大変良好であるため、当初計画に基づいて研究を行う。
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