DNA二重鎖切断を修復する「転写と共役したDNA修復機構(TC-HR)」の分子機構を主としてクライオ電子顕微鏡法を用いた構造生物学解析で明らかにしようとする研究提案である。RNAポリメラーゼによるDNA損傷の認識、CSBによるクロマチン変換、 RAD52の集積/修復の各TC-HRステップを再構成し、構造解析を行う。 TC-HRの分子機構は未だ明らかになっておらず、分子生物学的にきわめて重要な研究課題である。反応の各ステップの構造解析を行うというダイナミックな解析は、構造生物学的にも非常に興味深い。クライオ電顕の特色を活用した優れた研究提案である。また、TC-HRの破綻が引き起こすコケイン症候群や神経疾患の治療法につながる可能性があり、医科学的にも大きな成果が期待できる。
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