研究課題
紫外線や放射性などの外的要因、活性酸素や複製エラーなどの内的要因により、ゲノムDNAは日々損傷を受けているが、細胞には損傷DNAを速やかに修復する機構が備わっている。増殖可能な細胞においては、複製依存的な姉妹染色分体を鋳型にした相同組換え修復(HR)により、二重鎖切断損傷が正確に修復される。一方で、非増殖細胞においては、転写と共役した二重鎖切断損傷修復(TC-HR)の機構が提案されている。本研究では、TC-HR経路において、RAD52、RAD51、CSBなどの修復関連タンパク質によるクロマチン上でDNA修復機構の解明を研究目的としている。本目的を達成するために、以下の計画1-3の研究を遂行した。<計画1> CSBが二重鎖切断損傷と遭遇したRNAポリメラーゼを認識するしくみの解明:損傷依存的にヌクレオソーム中で停止したRNAポリメラーゼIIとヌクレオソームとの複合体の構造解析に成功した。加えて、クロマチンリモデリング因子CSBのPichia属の酵母ホモログであるRAD26を用いて、RAD26-RNAポリメラーゼII-ヌクレオソーム複合体の調製及び構造解析に成功した。<計画2> クロマチン構造の基本単位であるヌクレオソームの構造を変換するしくみ: CSBによるクロマチンリモデリングの分子機構を明らかにするために、RAD26とヌクレオソームとの複合体を調製し、クライオ電子顕微鏡解析を行った。取得したデータセットをもとに構造解析を行っている。<計画3> RNAに依存したDNA修復反応におけるRAD52の役割:全長のRAD52の立体構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析によって解明した。構造解析の結果、RAD52のN末端領域が11量体を形成していること、及び自己会合の機能を有するC末端領域が高い運動性を有することが明らかになった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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