生体機能を制御するクロマチン上で起こる遺伝子発現について、単一細胞で起こることから多細胞が協同して組織レベルで起こることまでの広い空間分解能で解析することをめざす研究である。ここでは特に、骨格筋組織に損傷を加えてから起こる修復過程について、遺伝子の発現、そのクロマチン上での制御、発現の結果である蛋白質を同時に組織の位置に依存して計測することで全体像を構築することを試みる。 単一細胞から組織に到る遺伝子発現の研究は、世界的に大きく進展している分野である。その中で独自のChILSeq法に加えて、DNAバーコードを付加した抗体の利用、LabelSeq法による組織上でのラベル化などを用いて、筋組織形成を対象に研究する提案であり、新たな強力な方法論として確立されることが期待される。
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