受精は精子と卵子の接合に必要な多段階のステップからなり、各段階に必要な複数の因子が明らかにされているが、受精の開始を司る膜融合の実行因子は同定されていない。本研究は、受精の最初の段階である精子と卵母細胞間の細胞膜接着、繋留、融合のプロセスに焦点を当て、線虫及びマウスを用いて、メンブレントラフィックの視点からその機構解明を目指すものである。 線虫とマウスという2つのモデル生物の利点を活用し、受精という高次生命現象にライブイメージングの観察技術、遺伝学的、生化学的手法を導入することで、精子と卵子がどのように認識し、接着、繋留、膜融合するのか、という、動物の授精の第一段階に存在する普遍的かつ未解決な問題を解決することが期待される。
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