本研究は、真核細胞の起源とされるアスガルド古細菌のもつタンパク質の構造と機能を解析する、構造生物学研究である。応募者らがアスガルド古細菌に発見したアクチン調節タンパク質プロフィリンを主な対象とし、関連する細胞骨格タンパク質や膜輸送関連タンパク質を、全反射顕微鏡、質量分析、クライオ電顕、X線構造解析などのさまざまな方法で解析、結果を哺乳類のホモログと比較して真核細胞の進化を解明する計画である。 応募者は、アスガルド古細菌の生化学および構造の特性について、世界的フロントランナーであるが、研究計画も非常に高度な内容でその学術的意義は高く、極めて抜きん出た独自性を有している。本研究の遂行によって、真核細胞の進化的起源に洞察を与える知見が得られると期待される。
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