現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ゲノム編集CRISPR/Cas9 NHEJ法を用いた遺伝子のノックアウトはルーティンワークとして進められるほど確固たる系が確立でき、中でも遺伝子Xのノックアウトでは、共生が破綻するという期待通りの表現型を得ることができており、インパクトのある発表ができると期待している。一方、遺伝子のノックインは試行錯誤が続いているところである。今年度は本課題に関連する論文発表を4件も行うことができたのは大きな成果と言える。シングルセルの解析手法の技術を開発できたことも大きな前身である。まず、アブラムシと共生細菌のゲノム科学の現状を網羅した総説論文を発表した(Shigenobu and Yorimoto, Current Opinion in Insect Science, 2022)。この総説論文は本研究の比較ゲノム解析による新たな共生遺伝子の探索につながる重要な基盤である。次に、社会性アブラムシであるササコナフキツノアブラムシもモデル化し、不妊カーストの生殖細胞形成の制御を解明し論文を発表した(Chung and Shigenobu, Insect Biochemistry and Molecular Biology, 2022)。これ以外にも、in pressの論文や、投稿間近の原稿があり、開発段階の研究と、取りまとめ段階の研究がバランスよく進捗していると自己評価した。
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